WX310K

WX310K

WX310Kは、かつてウィルコム（現ソフトバンク）から発売されていた京セラ製のPHS（AIR-EDGE PHONE）端末です。前機種であるAH-K3001Vの後継機として、「京ぽん2」という愛称で親しまれていました。

概要

前機種のAH-K3001VがPHSとしては異例のヒットを記録したことを受け、WX310Kはその特徴であったOperaブラウザの搭載を引き継ぎました。AH-K3001Vに対するユーザーの不満点であった動作速度の遅さや内蔵メモリ容量の少なさを改善し、最大128kbpsの4xパケット方式に対応しました。

さらに、メガピクセルカメラやBluetooth、miniSDカードスロットを内蔵し、USBマスストレージクラスに対応することで、miniSDカードリーダーとしても利用できるようになりました。専用サイトからライセンスキーをダウンロードすることで、QRコードリーダー機能、Flashプレーヤー、有償の文書閲覧ソフト「Picsel Viewer」（Word、Excel、PowerPoint、PDFなど）、動画撮影機能、ミュージックプレーヤーなどを追加することができました。

Flash PlayerはOperaと連動しており、パソコン向けウェブサイトで使われているFlashコンテンツを再生することが可能でした。ミュージックプレーヤーを追加することで、ATRAC3およびMP3に対応したATRAC Audio Device（ATRAC AD）として使用でき、MP3ファイルを着信音として利用することもできました。

ATRACはソニーが推進する規格であるため、SD系のメモリーカードでATRACデータの記録・再生に対応しているケースは少ない中、WX310Kは数少ないSD系メモリーカードを使用するATRAC AD機器となっていました。

スペシャルモデル

2008年12月には、ウィルコム定額プランが本体代金込みで2年間月々980円で使用できるスペシャルモデルが一部で販売されました。本体仕様は通常モデルと同一です。ソフトバンクモバイルのホワイトプランと同額で、24時間通話定額やメール定額、より低廉な価格でパケット通信を利用できる点が特徴でした。

沿革

2005年6月21日：JATE（財団法人電気通信端末機器審査協会）による審査を通過
2005年7月27日：Bluetooth認定機関「Bluetooth.org」から認定を受ける
2005年8月10日：JATEによる審査を再度通過
2005年9月27日：発表
2005年11月25日：発売
2005年12月21日：ファームウェアVer.1.1.6 公開
2006年2月23日：ファームウェアVer.1.2.2 公開
2006年2月27日：ミュージックプレーヤー 公開
2006年4月17日：オプション辞書 公開
2006年5月31日：ファームウェアVer.1.2.3 公開
2006年12月21日：ファームウェアVer.1.2.7 公開
2007年12月19日：ファームウェアVer.1.2.10 公開（即日公開停止）
2008年1月16日：ファームウェアVer.1.2.12 公開（数日後公開停止）
2008年2月6日：ファームウェアVer.1.2.14 公開
2008年3月22日：Flashプレイヤーのダウンロードを無償提供に変更

各種仕様

外部端子：miniUSB TypeB（USBデータケーブル同梱）、CDC準拠モードとモデム&ユーティリティ併用モードで切り替え可能
バッテリー：リチウムイオン 850mAh/3.7V
サウンド機能：64ch PCM音源（WavetableによるMIDIファイル再生対応）
フォント：NEC「FontAvenue 丸ゴシック」
ブラウザ：Opera for SmartPhone Ver 7.0
メーラー：富士通ビー・エス・シー Be Star Mail
ミュージックプレーヤー：ATRAC形式（ATRAC3/ATRAC3plus）、MP3形式（いずれもOpenMGにより保護）
ムービー：再生：MPEG-4、3GPP、3GPP2/録画：3GPP、3GPP2
バーコードリーダー：株式会社メディアシーク製
Flash Player：Ver.6相当（イーソル製）
TCP/IP：エルミックシステム KASAGO

関連項目

SO905i：本機種と同じくSD規格の端末でATRACの再生に対応した機種（NTTドコモ）

外部リンク

京セラ公式ページ
* ウィルコム公式ページ

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