Wonderful world (ASKAのアルバム)

ASKAの通算11作目にあたるオリジナルアルバム『Wonderful world』（ワンダフル・ワールド）は、2022年11月25日にDADAレーベルから12cmCDとして世に送り出されました。これは、前作『Breath of Bless』から約2年8ヶ月ぶりにリリースされた、ファン待望の作品です。

このアルバムは、ASKAが現在進行形で作詞・作曲を手がけた楽曲群に、かつてCHAGE and ASKAとして発表し、広く親しまれてきた楽曲をセルフカバーしたバージョンを加えて構成されています。全13曲が収録されており、その中には既にデジタルシングルや単独シングルとして発表されていた楽曲も含まれています。

収録曲の中でも特に耳目を集めるのは、「太陽と埃の中で」と「PRIDE」の2曲です。これらは、かつてCHAGE and ASKAの代表曲として多くの人々の心に刻まれた名曲ですが、本作ではASKA自身の円熟した表現力と現在の声によって、新たな息吹が吹き込まれています。

「太陽と埃の中で」のセルフカバーバージョンは、アルバム発売に先立ち、2022年9月11日放送のフジテレビ系列特別番組『FNSラフ&ミュージック2022〜歌と笑いの祭典〜』で披露され、そのパフォーマンスが大きな反響を呼びました。SNS上では、「やはり心に響く」「格好良い」といった肯定的なコメントが相次ぎ、話題となりました。また、このバージョンは、2022年2月に開催されたお笑い賞レース「G-1グランプリ」のテーマソングとしても起用され、決勝大会で初披露されています。

一方、「PRIDE」もまた、1989年にCHAGE and ASKAのシングルとして発表された、世代を超えて愛される楽曲です。こちらのセルフカバーバージョンは、アルバムよりも前に、2021年にASKAの14枚目のシングルとしてリリースされ、既に多くのファンに聴かれていました。

これらのセルフカバー曲に加え、アルバムには以下の既発表曲も収録されています。

自分じゃないか（2020年配信リリース）
笑って歩こうよ（2021年リリースの13枚目シングル）
僕のwonderful world（2020年配信リリース）
幸せの黄色い風船（2020年配信リリース）
プラネタリウム（シングル「笑って歩こうよ」のカップリング曲）
I feel so good（シングル「PRIDE」のカップリング曲）

既発表曲に加えて、「どんな顔で笑えばいい」、「だからって」、「それだけさ」、「君」、「誰の空」といった新たな楽曲、あるいはこのアルバムで初めてCD音源化された楽曲が収められ、ASKAの創造性が衰えていないことを示しています。

本作の制作は、多数のプロフェッショナルチームによって支えられました。レコーディングとミックスは石塚良一氏、一部レコーディングは三浦健介氏が担当。マスタリングは粟飯原友美氏（Winns Mastering）が行いました。エグゼクティブプロデューサーは恩田健志氏（Burnish Stone）、ディレクターは定繁正之氏と和田康誠氏（共にBurnish Stone）、ミュージックディレクターは藤山祥太氏が務めています。アーティストマネジメントは西耕之助氏（Burnish Stone）。アートワーク関連では、フォトグラファーに岡田貴之氏、デザイナーに新家敏之氏（neuhaus）、スタイリストに東野邦子氏（NEUTRAL）、ヘアメイクに咲川倫子氏が名を連ねています。編集ディレクターは西澤祐介氏。また、「わかりあっている仲間たち」への感謝の言葉も記されています。多くの参加ミュージシャンがアルバムのサウンドに彩りを添えています。

アルバム『Wonderful world』は、ASKAが過去の豊かな音楽遺産を現在の解釈で再構築しつつ、同時に新たな創作への意欲を確かに感じさせる作品です。約2年8ヶ月というインターバルを経て届けられたこのアルバムは、ASKAの音楽を愛する人々にとって、まさにそのタイトルが示すように、「素晴らしい世界」を体験できる一枚と言えるでしょう。

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