XMMS

XMMS（X Multimedia System）は、Unix系OS上で動作する、Winampに影響を受けたオープンソースのオーディオプレーヤーです。その起源は、1997年11月にPeterとMikael Almによって開発されたX11Ampに遡ります。当時、Linux向けの優れたMP3プレーヤーが不足していたことが開発の動機でした。X11Ampは、同年5月にリリースされたWindows用オーディオプレーヤー、Winampに似たデザインを採用し、Winamp用のスキンも利用可能でした。当初、ソースコードは公開されていませんでしたが、後にGNU General Public Licenseの下で公開されることになりました。

1999年6月10日、4Front TechnologiesがX11Ampの開発スポンサーとなり、プロジェクト名はXMMS（X MultiMedia System）に変更されました。XMMSの「X」はクロスプラットフォームを意味すると公式に発表されていますが、多くのユーザーは「X11 MultiMedia System」や「X Window MultiMedia System」の略だと解釈しています。

しかし、XMMSはGTK+のバージョンアップに対応せず、旧バージョンのGTK+を使用し続けました。これは、サードパーティ製の多くのプラグインが旧GTK+に依存していたことが大きな理由です。また、開発者たちはXMMSのコードが複雑でメンテナンスが困難であると認識していました。これらの要因から、XMMSは多くのフォークや関連プロジェクトを生み出すことになりました。

その中でも代表的なものが、2003年に開始されたGTK+2ベースのBeep Media Playerです。しかし、Beep Media Playerの開発も現在は終了しており、さらにそこからAudaciousやBMPxといったフォークが派生しています。また、Mohammed SameerによるGTK+2を使用したXMMS2も存在しましたが、プロジェクトは中止されています。XMMS2は、XMMSの原作者の一人であるPeter Almによって全面的に再設計されたプロジェクトで、2002年に開始されました。

XMMSは、多様なオーディオおよびビデオフォーマットをサポートしています。デフォルトでは、オーディオCD（CD-DA）、freedbによるCDDB機能、libmikmod、MPEGレイヤー1,2,3（MP3）、Vorbis、WAVに対応しています。プラグインを使用することで、TTA、WavPack、speex、FLAC、AAC、WMA、APE Monkey's Audio、mp3PROなどのフォーマットも利用可能です。また、IcecastやSHOUTcastストリーミングにも対応しており、Winamp用のスキンも利用可能です。

XMMSは、その柔軟性と拡張性の高さから、多くのユーザーに支持されてきました。その後のフォークや関連プロジェクトの登場は、XMMSが持つポテンシャルと、オープンソースソフトウェアの進化を象徴する事例と言えるでしょう。

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