Y十M 〜柳生忍法帖〜

『Y十M 〜柳生忍法帖〜』

概要

『Y十M 〜柳生忍法帖〜』は、原作が山田風太郎の『柳生忍法帖』で、作画はせがわまさきが手掛ける日本の時代劇漫画です。この作品は、2005年から2008年の間に『週刊ヤングマガジン』（講談社）に連載され、全11巻、100話から構成されています。

本作のテーマは「因果応報」であり、江戸時代初期を舞台に壮大な復讐劇が繰り広げられます。物語は会津騒動を背景にしており、前半部分は鎌倉東慶寺と江戸、後半は会津藩若松城が主な舞台となります。

タイトルの「Y十M」は、主人公である柳生十兵衛三厳を指し示しています（Y＝柳生、十＝十兵衛、M＝三厳）。原作に基づいているものの、いくつかの場面では細かな変更が加えられています。特に、堀一族の女7人の役割の入れ替えや、対戦カードなどの変更があり、原作と異なる展開も見られます。

登場人物

柳生十兵衛三厳

柳生十兵衛三厳は、徳川将軍家の剣術指南役でしたが、自由すぎる性格により職を解かれ、父の柳生宗矩からも勘当された状態で回国修行をしています。普段はのんびりした性格ですが、果敢な行動力と勇気を兼ね備えています。沢庵和尚の紹介を受け、堀一族の女たちに戦い方を教えることになります。彼は「般若侠」と名乗り、少女たちを助ける立場で彼女たちの戦いを指導します。

堀一族の女七人

堀一族の女たちは、父や夫の仇として七本槍を討つことを誓った美しい武家の子女たちです。彼女たちは武術の技術には優れていないものの、容姿に関しては江戸で噂になるほどの美貌を持っています。最初は十兵衛に不信感を抱いていたものの、彼の実力と人柄を知ることで彼に感情を抱くようになります。

主な支援者

• - 天樹院: 徳川家光の姉で、豊臣秀頼の正室。堀の女たちに復讐を助ける。
• - 沢庵宗彭: 万松山東海寺の住職で、十兵衛を女性たちに紹介。

会津加藤家

加藤明成は、会津藩の大名として振る舞う冷酷な人物です。彼は道徳を無視し、領民を苦しめるような行動を行っています。一方で、明成は過去に助けられたことから、芦名銅伯との不思議な関係を持っています。

物語の背景

本作では、因果応報の概念を中心に、剣術と復讐が織り交ぜられたストーリー展開が特徴です。会津の女たちの苦しみと奮闘が、物語全体を通じて描かれます。主人公である柳生十兵衛は、父に勘当されながらも、自らの運命に対抗する姿が強調され、彼が出会う人物たちとの関係性が物語に深みを与えています。

書誌情報

せがわまさきの『Y十M 〜柳生忍法帖〜』は、講談社の「ヤンマガKCスペシャル」として全11巻が刊行されています。2005年11月4日に第1巻が発売され、その後2008年まで続きました。全体にわたって著者の独特の描写と緻密なストーリーテリングが膨らませ、読者を惹きつける作品となっています。

この作品は前作『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』との関連も持ち、柳生家の過去の人物たちが登場することも、漫画を楽しむ要素の一つです。

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