加藤明成

加藤明成

加藤明成（かとう あきなり）は、江戸時代前期の大名であり、陸奥国会津藩の第2代藩主を務めました。水口藩加藤家の2代目でもあります。

生涯

天正20年（1592年）に加藤嘉明の長男として生まれました。寛永8年（1631年）に父が亡くなると、家督と会津藩40万石の所領を相続しました。

明成は、慶長16年（1611年）の会津地震で倒壊し、傾いたままになっていた蒲生時代の7層の若松城天守閣を5層に改めました。また、城下町の整備を図り、近世会津の基礎を築きました。

しかしその一方で、領内の統治には失敗し、農村は疲弊しました。さらに、宿老の堀主水と対立し、堀が出奔するという事件が起こります。明成は堀を執拗に追い、高野山まで追跡し、最終的には江戸で一党の身柄を拘束しました。そして、彼らに過酷な拷問を加えた後、切腹も許さずに処刑するというお家騒動（会津騒動）を引き起こしました。

長男の明友は庶子であったため、京都の山田氏に預けられ養育されていましたが、嫡子が生まれなかったため、実家に呼び戻されました。その後、加藤内蔵助明友と名乗り、世子に指名されました。会津騒動後、石見国に吉永藩を立藩しました。天和2年（1682年）には近江国水口藩2万石に加増転封され、加藤家は幕末まで存続しました。

明成は、吉永藩領に下って隠居し、万治4年1月21日（1661年3月2日）に死去しました。享年70。

創作における加藤明成

山田風太郎の長編小説『柳生忍法帖』では、荒淫残虐で暗愚な暴君として描かれています。

中村彰彦の短編小説「亡霊お花」では、一種の偏執狂で、片意地な性格の人物として描かれています。

南條範夫の短編集『大名廃絶録』にも、短編小説「加藤式部少輔明成」が収録されています。

田宮虎彦の『寛永主従記』にも、明成に関する記述があります。

系譜

父母
加藤嘉明（父）
堀部市右衛門の娘（母）
正室
保科正直の娘
子女
加藤明友（長男）
青山幸利正室
池田薫彰継室のち溝口政良継室

関連項目

天秀尼 - 会津四十万石改易事件

もう一度検索