YM2610

YM2610音源チップの概要

YM2610（FM Operator type N-B、OPNB、OPT）は、タイトーによって開発された音源チップです。このチップは、日本楽器製造（現在のヤマハ）によって製造されました。YM2610は、SSG音源、FM音源、ADPCM音源といった多様な音源を搭載し、音楽や効果音の高品質な生成を可能にしています。特に、アーケードゲームや家庭用ゲーム機でも広く利用され、その豊かな音色は、多くのゲームファンに親しまれてきました。

機能と構成

YM2610は、いくつか異なる音源を一つのチップに統合しています。このチップの主な機能は以下の通りです：

• - FM音源：通常、YM2610では4音しか同時に発声できませんが、後に改良されたYM2610Bでは6音の発声が可能になりました。
• - SSG音源：最大で3音を同時に発声します。
• - ノイズ音源：1音を生成します。
• - ADPCM音源：二種類のADPCMが搭載されています。

- ADPCM-Aは6音を持ち、再生周波数が18.5kHzに固定されており、音程の変更はできません。
- ADPCM-Bは1音を発声し、再生周波数は範囲として2kHzから55.5kHzを指定できます。

さらに、YM2610にはタイマーが2系統、LFO（低周波発振器）が搭載されており、これにより音色のモジュレーションが可能です。これらの機能が組み合わさることで、さまざまな音楽表現を実現しています。

歴史と使用実績

YM2610は、F2システムやネオジオといったアーケード基板で広く使用されました。製品の初期バージョンでは、生産上の問題からFM音源による発声が4音に制限されていましたが、ユーザーからの要望を受けて、仕様が改良されたYM2610Bがリリースされ、6音の発声が実現しました。この改良により、より複雑で豊かな音楽表現が可能となり、多くのゲーム開発者に支持されました。

YM2610は、音源チップの設計において他のチップとの共通性も持っており、特にYM2608との設計の一致点が見られます。また、YM2151のような他の音源もアーケード基板で広く使われており、これらの音源チップはゲーム音楽の発展に大きく寄与してきました。

まとめ

YM2610は、その多機能性と高い音質により、アーケードゲームの音楽の豊かさを支えた重要な音源チップです。即座に認識できるサウンドを実現し、ゲーマーや開発者にとってキャッチーなメロディや効果音を提供し続けました。

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