YMF278

YMF278（OPL4）について

YMF278、別名OPL4は、ヤマハによって開発されたFM音源チップで、音楽制作やゲームサウンドにおいて広く利用されています。OPL3の後継にあたるこのチップは、従来のFM音源に加えて、Wave Tableシンセサイザー機能を搭載しており、サンプリング周波数は44.1kHz、同時に24音を発音することが可能です。これにより、表現力豊かな音楽制作が実現できます。

機能と互換性

YMF278は、最大4MiBのROMおよびRAMに加え、512音色に対応する波形データをサポートしています。このFM音源部分は、YMF262と完全に互換性があり、PCM音源部には同社のAWM音源チップであるYMW258B（GEW8S）が使用されています。また、DAC（デジタル・アナログコンバータ）には、YMF262と同じYAC512が利用されており、これにより安定した音質を提供しています。

このチップは、GM（General MIDI）音源としても必要最低限の機能を備えており、GM音源用Wave Table ROM「YRW801」とGMプロセッサ「YPC306」と組み合わせることで、GM Level1相当のオールインワン音源を容易に構成することができます。ただし、PC用の内蔵音源としての後方互換性を保つため、FM音源部はYMF262と同等のものが用意されていますが、GM用途の場合は主にAWM音源部が使用されることになります。

バリエーション

YMF278にはいくつかのバリエーションが存在します。まず、YMF295（OPL4D）はデジタル出力のフォーマットをI2Sとした版で、ソフトウェア的にはYMF278と同じ機能を持っています。また、YMF704（OPL4-ML）は、GMプロセッサ、Wave Table ROM、OPL4をワンチップ化した製品で、Wave Table ROMの容量はYRW801の半分に圧縮されているため、外部メモリとの接続はできません。さらに、YMF721（OPL4-ML2）はOPL4-MLをマイナーチェンジしたもので、Wave Table ROMの内容が改良されています。

採用事例

YMF278は、さまざまな製品に採用されてきました。代表的な例として、MSX用の高音質サウンドカートリッジ「MoonSound」がYMF278Bを搭載しています。また、日出ハイテックの「AUDIO-A DB」（サウンドブラスター用MIDIドーターボード）や、Hoontechの「SoundTrack OPL4」（IBM PC/AT互換機用PCIサウンドカード）、YAMAHAの「SOUND EDGE SW20-98」（PC-98x1用サウンドカード）、さらにはコンピューターテクニカの「SPB-98」（同じくPC-98x1用サウンドカード）など、数多くのコンピュータ周辺機器でも利用されています。

関連項目

YMF278の技術や機能についてさらに理解を深めるためには、以下の関連項目についても知識を広げることをお勧めします。FM音源、AWM音源、General MIDI、またセガのゲームシステム（MODEL1、MODEL2、システム32）など、音源技術の進化に関連するトピックについても興味深い情報が得られます。

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