オガデン

オガデンは、エチオピア東部のソマリ州に位置する広大な地方です。アフリカの角の内陸部に位置し、ソマリアと国境を接しています。その面積は約20万平方キロメートルに及びます。主要都市であるJijiga（ジジガ）は、エチオピアの首都アジス・アベバから直線距離で約350km、一方、中心都市のワルデルはアジス・アベバから約600km離れています。

地形的には、北西部で標高1500m、南部で標高300mの台地となっています。気候は半乾燥地域であり、年間降水量は350mm以下と少ないですが、高地では500～600mm程度となります。植生は潅木が主体で、草地や裸地も広がっています。近年、旱魃に見舞われることが多く、人々の生活に深刻な影響を与えています。

歴史的には、13世紀以来イスラームの影響を受けていましたが、19世紀末にはエチオピア帝国のメネリク2世の支配下に入りました。20世紀にはイタリアやイギリスの植民地となり、第二次世界大戦後、1954年にイギリスがこの地域を手放しました。1970年代に入ると、エチオピア中央政府に対する闘争が激化し、現在もオガデン民族解放戦線（ONLF）を中心に反政府運動（オガデン戦争）が続いています。政府による遊牧民殺害も報告されており、ソマリ人や人権団体から批判されています。

オガデンの主要な産業は、家畜の放牧です。しかし近年、豊富な天然ガスが発見され、資源開発が進められています。かつてはマレーシアの企業が開発に乗り出そうとしましたが、反政府勢力の襲撃を受け撤退しました。その後、イギリスやカナダの石油会社が探査活動を行い、現在では中国[[石油化工集団]]（シノペック）が油田開発を進めています。

オガデン地域は、その地理的な位置、気候条件、歴史的背景、そして紛争の存在が複雑に絡み合い、特異な状況を生み出しています。住民の生活は依然として厳しい状況にありますが、天然ガスの開発によって、将来的に経済的な発展が期待されています。しかし、そのためには、紛争の解決と安定した社会の実現が不可欠です。

関連事項：

Ogaden Basin
ソマリ州
オガデン戦争
大ソマリア主義

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