アトミックサンダー

アトミックサンダーは、1997年から2001年にかけて日本の地方競馬で活躍した競走馬です。特に1998年には、南関東クラシック三冠レースの一つである東京ダービーと、秋の重賞競走である戸塚記念で優勝を飾りました。

その競走生活は、1997年5月に北海道の札幌競馬場で始まりました。木稲安則氏の所有馬として、フレッシュチャレンジ競走に出走しましたが、デビュー戦は9着という結果でした。しかし、続く旭川競馬場でのアタックチャレンジで初勝利を挙げ、能力の片鱗を見せます。北海道でのキャリア初期は8戦を消化し、4勝をマークしましたが、その戦績は勝利するか、さもなくば4着以下に沈むという極端なもので、安定感よりも一発の魅力を持つタイプでした。1997年12月には門別競馬場のウィナーズチャレンジに勝利した後、活動拠点を南関東へ移します。この移籍に伴い、所属は船橋競馬場の川島正行厩舎へ、馬主も舛添要一氏へと変更されました。

1998年、南関東での新たな挑戦が始まりました。移籍初戦となったブルーバードカップでは、中央競馬から招いた武豊騎手を鞍上に迎えましたが、エスケイタイガーを捕らえきれず2着に惜敗します。続く川崎競馬場でのクラウンカップでは、石崎隆之騎手とのコンビで単勝1番人気に推されるも、ハードサインカラーに続く3着に敗れ、期待に応えることはできませんでした。しかし、地元船橋でのふじ特別で勝利を収め、南関東クラシック戦線へと駒を進めます。三冠初戦の羽田盃では、先行して粘り込みを図るゴールドヘッドを捉えきれず、またしても2着に涙を呑みました。二冠目の東京王冠賞では2番人気の支持を集めましたが、伏兵ハカタビッグワンの逃げを許し、まさかの6着と大敗を喫します。

そして迎えた三冠最終戦、東京ダービーでは、石崎隆之騎手が別の有力馬ゼンノブレイブに騎乗するため、張田京騎手に手綱が託されました。レース本番では、羽田盃で苦杯を嘗めたゴールドヘッドが再び粘りを見せる中、アトミックサンダーは最後の直線で懸命に脚を伸ばし、ゴール前でついにクビ差だけライバルを差し切り優勝を果たしました。この勝利により、馬主の舛添要一氏は前年のサプライズパワーに続き、東京ダービー連覇という快挙を達成しました。ダービー制覇後、同年秋には戸塚記念も制し、その年の主要な目標を達成したアトミックサンダーは休養に入りました。

その後、馬主であった舛添氏が東京都知事選挙への出馬を表明し、これに伴い馬主資格を停止することとなりました。これにより、同氏の所有馬はすべて手放されることになり、アトミックサンダーも大迫忍氏に売却されました。しかし、新たな馬主のもとでレースに出走することはなく、2001年4月1日付けで競走馬登録が抹消されました。登録抹消後の消息については、残念ながら現在まで明らかになっていません。

アトミックサンダーの競走成績に関するデータは、JBISサーチ、netkeiba.com、地方競馬全国協会などの情報源に基づいています。南関東限定の重賞競走の格付けについては、日刊競馬新聞社の記載に準じています。

もう一度検索