戸塚記念

戸塚記念：川崎競馬場の歴史を刻む重賞競走

戸塚記念は、神奈川県川崎市にある川崎競馬場で開催される地方競馬（南関東公営競馬）の重賞競走です。格付けはSIに位置づけられ、川崎競馬場の前身である戸塚競馬場を記念して行われています。正式名称は『サンケイスポーツ盃 戸塚記念』で、優勝杯は産業経済新聞社（産経新聞社）が提供しています。副賞として、サンケイスポーツ賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、関東地方公営競馬協議会賞、管理者賞、生産牧場賞などが贈られます。

戸塚記念の歴史と変遷

1971年、サラブレッド系3歳馬（当時は4歳）の南関東所属馬限定の重賞競走として、『報知盃 戸塚記念』として誕生しました。当初はダート2000メートルのハンデキャップ競走でしたが、年を経て距離や負担重量、格付けなどが変化を遂げています。

1986年度を除き、毎年重賞競走として開催され、施行距離は1998年からダート2100メートルが標準となっています。2002年と2003年は2000メートルに変更されましたが、2004年に2100メートルに戻されました。負担重量は、2004年から別定重量となり、2018年には南関東SIに格上げされ、同時に定量に変更されています。

2010年には、水沢競馬場で行われるダービーグランプリの全国指定競走となり、優勝馬にはダービーグランプリへの優先出走権が与えられるようになりました。また、2017年から2023年までは、『3歳秋のチャンピオンシップ』シリーズのカテゴリーB競走に指定され、ダービーグランプリとの両方制覇を果たした馬の馬主には、高額なボーナス賞金（2018年までは500万円、それ以降は800万円）が贈呈されました。

出走条件と賞金

2024年現在の出走条件は、サラブレッド系3歳、南関東所属馬です。トライアル競走である『芙蓉賞』の上位3着馬には優先出走権が与えられます。負担重量は定量で、56kgが基本となり、牝馬は54kg、南半球産馬はさらに2kg減となります。

賞金は、1着3000万円、2着1050万円、3着600万円、4着300万円、5着150万円と、着外手当10万円と、非常に高額な賞金が用意されています。

過去の出来事と記録

戸塚記念の歴史には、数々のドラマがあります。1984年には同着優勝、1985年には佐々木竹見騎手による史上初の連覇、2005年には足立勝久調教師による史上初の連覇といった記録が生まれました。また、格付けの変遷においても、南関東G3、SIII、SIIを経て、2018年にSIに昇格しています。優勝杯提供元の変更に伴い、名称も『報知盃 戸塚記念』、『神奈川新聞社賞 戸塚記念』、『サンケイスポーツ盃 戸塚記念』と変遷しています。

2024年には、中央競馬では2003年の七夕賞以来、地方競馬では初めてとなるアカペラ演奏によるファンファーレが実施されました。

関連情報

戸塚記念は、川崎競馬場、そして南関東公営競馬を代表する歴史と伝統のある重賞競走です。この競走は、多くの競走馬、騎手、調教師の夢と情熱が詰まった、記憶に残るレースとして、今後も発展していくでしょう。関連情報としては、同じ南関東公営競馬の重賞競走である『黒潮盃』や『ロジータ記念』などがあります。

参考文献

南関東4競馬場公式「戸塚記念競走優勝馬」https://www.nankankeiba.com/win_uma/22.do (2024年11月現在)
川崎競馬公式サイト「レースと日程」(2024年版)
* 第10回(平成10年8月号掲載)戸塚競馬と駒立橋（吉田町） - 横浜市戸塚区

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