カシオペヤ座

カシオペヤ座

カシオペヤ座（カシオペヤざ、ラテン語: Cassiopeia）は、現代の88星座の1つであり、古代ギリシアの伝説に登場するエチオピア王妃カッシオペイアに由来します。この星座は、特有のW字形を形成しており、3つの2等星と2つの3等星から構成されています。特に北緯44°以上の地域では、カシオペヤ座は地平線に沈むことがない周極星とされ、多くの観測者にとって身近な存在です。

主な天体

カシオペヤ座は、いくつかの著名な星々を含んでいます。中でも、恒星のα星(シェダル)は最も明るく、約231光年離れており、見かけの明るさは2.23等です。β星(カフ)も同様に明るく、位置的に恒星時を計るための基本点として利用されます。さらに、δ星(ルクバー)はヒアデス運動星団の一員として考えられています。

また、カシオペヤ座には珍しい黄色極超巨星が存在し、2023年9月現在で8つの恒星が国際天文学連合により認証された固有名を持っています。

星団と星雲

カシオペヤ座には、メシエ天体に分類される2つの散開星団（M52とM103）が位置し、6つの天体が「コールドウェルカタログ」に選定されています。散光星雲のNGC7635は、バブル星雲とも呼ばれ、星間物質に覆われた大質量星が形成される様子を示しています。

流星群

カシオペヤ座に属する流星群には、ペルセウス座流星群や6月カシオペヤ座μ流星群、カシオペヤ座ψ流星群、12月カシオペヤ座φ流星群などがあります。特にペルセウス座流星群は毎年8月にピークを迎える三大流星群の一つです。

由来と神話

カシオペヤ座の名前は、古代ギリシャの神話に登場するカッシオペイアの美しさから来ています。彼女の自惚れから海の怪物ケートスが送られ、最終的に彼女の娘アンドロメダーが生贄にされるという物語が伝承されています。この伝説は、古代ローマの著作家によっても記述されており、カシオペヤ座の星々は天に上げられた後、玉座に座る姿として描かれています。

方言と文化

日本ではカシオペヤ座は「カシオペヤ」と名付けられ、いくつかの地方で「イツツボシ（五つ星）」や「ヤマガタボシ（山形星）」というように呼ばれています。アラブ諸国では「染められた手」という名で知られ、特にβ星の固有名カフは、この文化的伝承に由来しています。また、中国では古代からこの星座に特別な観点があり、天の北極を中心とした星官が設定されています。

世界的に見れば、カシオペヤ座はその独特な形と数多くの著名な天体により天文学や神話において特に重要な位置を占め、古くから人々に親しまれてきました。

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