ガルバ

セルウィウス・スルピキウス・ガルバ

セルウィウス・スルピキウス・ガルバ（紀元前3年12月24日 - 69年1月15日）は、ローマ帝国の皇帝で、68年から69年のわずかな期間に在位した。この年は「四皇帝の年」としても知られており、ガルバはその最初の皇帝であった。

出自と初期の経歴

ガルバは名門の家系に生まれ、父は執政官を務めたガイウス・スルピキウス・ガルバで、母はムンミア・アカイアである。アウグストゥスやティベリウスからも好まれていた彼は、早くから元老院議員として活動し、紀元33年には執政官を務めた。その後、上ゲルマニア軍団の司令官やアフリカの総督を歴任し、政治的な経験を積んでいった。

皇帝への道

68年、ガルバはヒスパニア・タラコネンシスの総督をしている時に、ガリア総督ウィンデクスによる反乱が発生。元老院や民衆の支持を集める中、彼はローマに向かい、元老院により新しい皇帝として認められた。この際、ネロは事前に自殺し、ガルバが即位する事態に至った。しかし、彼の治世は問題を抱えていた。

ガルバは、前任者ネロの贅沢な支出を抑え、財政の健全化を図ろうとしたが、これにより不満を抱く者が続出した。さらに、彼は後継者としてオトではなくローマの貴族ピソを選んだことで、オトや軍の支持を失ってしまう。

最期

69年1月1日、ゲルマニア・スペリオルの軍団がガルバへの忠誠を拒否し、翌日にはゲルマニア・インフェリオルでも反乱が発生。军隊はアウルス・ウィテッリウスを新たな皇帝として推す動きを見せる。ガルバはこれを受けて、元老院の支持を得るために他の後継者を選んだが、時既に遅しであり、オトの支援を受けたプラエトリアニたちによって彼とピソは殺害されてしまう。ガルバが最後に「私がどんな悪いことをしたのか」と哀願したとの伝説が残っている。

評価

歴史家タキトゥスは、ガルバを高く評価している。彼は、ガルバが皇帝でなければ、彼はその資質を認められていた可能性が高かったと述べている。ガルバの死後、民衆の間で彼の人気は一段と高まり、彼の像が神殿を回る様子が報告されるなど、その存在は消えることがなかった。

ローマ内戦の時代において、彼の治世は短かったが、多くの歴史的意味を持つものとして記憶され続けるだろう。

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