コーンウォール公

コーンウォール公爵の概要

コーンウォール公爵（Duke of Cornwall）は、イングランドにおいて王冠に付随した大学のひとつで、ランカスター公爵と同じように重要な位置を占めています。王位の継承者である最年長の男子がこの爵位を自動的に引き継ぐため、非常に特異な存在となっています。2023年現在、この公位はチャールズ3世の第一子、ウィリアムが保持しています。

歴史背景

コーンウォール公爵位の歴史は深く、アーサー王伝説にまで遡ることができます。この伝説では、イングランド王ユーサー・ペンドラゴンがコーンウォール公ゴルロイスの妻に魅了され、魔術師マーリンの助けを借りて彼に成りすましながら子をもうける様子が描かれています。この子は後にアーサー王となるのです。

現実の世界では、コーンウォール公爵位が創設されたのは1336年。エドワード3世の長男であるエドワード黒太子が初代として任命されました。彼が亡くなると、次いでその長男リチャードに再度創設されることとなります。1421年に定められた法律により、この公爵位は王位の継承者の最年長の男子のみに相続されることが規定されました。この規定により、長男が他の理由で亡くなった場合でも、彼の子息には公位が継承されないのです。たとえば、ジョージ2世の孫は皇太子ではありましたが、コーンウォール公ではありませんでした。

この爵位には時間的に空位が生じることもあります。直近の例は、ジョージ5世の長男が王位に即位した1936年から、エリザベス2世の長男チャールズがコーンウォール公に就いた1952年までの16年間です。このように、継承の仕組み上、しばしば不在の期間が存在することとなります。

コーンウォール公領について

コーンウォール公領は約570平方キロメートルにわたる広大な土地をカバーしており、その半分がデヴォンに位置しています。伝統的に、公爵はこの領地から地代を受け取る権利を持っており、先代のチャールズ公は1973年に地代として多様なものを受け取っています。この公領の収入は公務に使われますが、公爵が不在の際はその収入は王のものとなります。

また、コーンウォール州長官は公爵によって任命され、コーンウォールでの無遺言財産や発見された隠れた財産の権利も公爵に帰属します。これにより、コーンウォール公爵は固有の権利や義務を持つ、特異な存在となっています。

紋章と爵位の歴史

コーンウォール公の紋章は、黒地に逆三角形の形で15枚の金貨が並べられたデザインです。この紋章は、歴代の公たちの象徴としても広く用いられ、現在でもコーンウォール州議会で使用されています。

コーンウォール公爵の歴代の一覧は、エドワード3世の長男から始まり、次々と王位に即位することで公位を失ったり、死亡したりすることで記録されており、数世代にわたってこの公位は繰り返し受け継がれてきました。

近年ではウィリアム王子がこの称号を有し、彼の公務や責任とともに、イギリス王族の重要な一員としての役割を果たしています。コーンウォール公は、イギリス社会における歴史的な役割を担い続けているのです。

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