コーンミール

コーンミールは、乾燥させたトウモロコシを挽いて作られる食品であり、世界中で広く利用されている主食の一つです。小麦粉ほど細かく挽かれていないことが多いですが、メキシコでは細かく挽かれたものは「トウモロコシ粉」（harina de maíz）と呼ばれ、トルティーヤやタマルなどの材料として使用されます。アメリカ合衆国では、マサを作るための粉として「masa harina」と呼ばれることもあります。

イタリアでは、茹でてペースト状にしたコーンミールはポレンタとして親しまれており、ルーマニアでも伝統的な料理としてパンの代用品となっています。ラテンアメリカでは、コーンミールの生地を作る際に、トウモロコシを石灰水などのアルカリ性溶液に浸すニシュタマリゼーションという処理が行われ、この生地からアレパ、タマル、トルティーヤなどが作られます。

コーンミールの種類と特徴

日本では、日本コーングリッツ協会がコーンミールの基準を定めており、水分値、粗脂肪、粗タンパク、粗灰分、粗繊維などの含有量が規定されています。一般的には、コーングリッツよりも細かく、コーンフラワーよりも粗いものをコーンミールと呼ぶことが多いです。アメリカ合衆国では、粒子の細かいものはコーンフラワーと呼ばれることもありますが、イギリスではコーンフラワーはコーンスターチを指します。

アメリカで一般的な鉄製のミルで挽いた黄色いコーンミールは、殻や胚芽がほぼ完全に取り除かれており、冷暗所で乾燥した状態であれば長期保存が可能です。一方、石臼で挽いたコーンミールは、殻や胚芽が残っているため、独特の風味があり、栄養価も高いのが特徴です。ただし、比較的傷みやすいため、冷蔵保存が推奨されます。

白いコーンミールは、アフリカの伝統的なものであり、アメリカ南部ではコーンブレッドの材料として利用されます。また、青いコーンミールは、希少な青いトウモロコシを使用するか、青色の着色料を加えて作られます。

各国での利用例

ウガリ：東アフリカ
ポレンタ：イタリア
マサ：中央アメリカ
コーンブレッド：北アメリカ

その他の利用法

コーンミールは、パンやピザを焼く際の離型剤として使用されることがあります。また、内胚乳から作られるコーンスターチは、プリンなどの結合剤として利用されます。さらに、コーンミールは天然の殺虫剤として、または洗剤と混ぜて肌の汚染除去剤として利用されることもあります。アメリカでは、揚げ物の衣やアメリカンドッグ（コーンドッグ）の材料、イングリッシュマフィンの表面にまぶすなど、様々な用途で利用されています。

このように、コーンミールは世界中で多様な形で利用されており、その種類や用途は地域によって異なります。主食としての利用から、調理の補助、さらには日用品としての利用まで、コーンミールは私たちの生活に深く根ざした存在と言えるでしょう。

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