シャルドン

シャルドン：アメリカ競馬史に輝く二度の年度代表馬

シャルドン(Challedon、1936年-1958年)は、アメリカ合衆国で活躍したサラブレッド競走馬にして種牡馬です。類まれな才能で1939年と1940年、2年連続で年度代表馬の栄冠に輝いた、アメリカ競馬史にその名を刻む名馬でした。1977年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たし、その偉業は現在も語り継がれています。

若駒時代の活躍：プリークネスステークス制覇と数々の勝利

1938年、シャルドンは競走馬としてデビュー。デビューイヤーにはローレルフューチュリティ、ニューイングランドフューチュリティ、ピムリコフューチュリティなど4勝を挙げ、将来を嘱望される存在となりました。翌1939年、ジョージ・シーボ騎手を鞍上に迎えたケンタッキーダービーでは、ジョンズタウンに8馬身の大差をつけられて2着に終わるも、続くプリークネスステークスでは見事に雪辱を果たし、優勝を飾りました。この勝利は、調教師のルイス・J・シェーファーにとって、騎手と調教師の両方の立場からプリークネスステークスを制覇するという快挙をもたらしました。

その後、シャルドンは9～10ハロンのハンデキャップ競走を主戦場とし、ヤンキーハンデキャップ、ホーソーンゴールドカップなどを制覇しました。トランターステークスでは、ジョージ・ウルフ騎乗のもとでダート9.5ハロンの世界レコードを樹立。ライバルのジョンズタウンとの対戦では、ドワイヤーステークスで3着に敗れる場面もありましたが、アーリントンクラシックステークスではジョンズタウンを3着に抑えるなど、その実力を証明しました。サンタアニタハンデキャップ優勝馬カヤックを破ったナラガンセットスペシャルやピムリコスペシャルでの勝利は、シャルドンが世代を超えて活躍できる強さを示すものでした。1939年シーズンは9勝を挙げ、アメリカ最優秀3歳馬、そして年度代表馬に選ばれました。

古馬時代：2年連続年度代表馬の偉業

1940年、4歳となったシャルドンは、ジョージ・ウルフ騎乗のもとでシーズンをスタート。ナラガンセットハンデキャップで3着に敗れる場面もありましたが、ハリウッドゴールドカップやホイットニーステークスといった大レースを制覇し、その強さを維持しました。同年9月には調教師がドン・キャメロンへと変わり、キャメロンの指導の下、ハヴァードグラスハンデキャップとピムリコスペシャルで連覇を達成。7戦5勝という安定した成績で、最優秀古牡馬、そして2年連続の年度代表馬に選ばれました。2年連続での年度代表馬選出は、1936年の選考開始以来初の快挙でした。

しかし、1941年以降は成績が下降。調教師交代や腱の損傷、前脚の裂蹄など、様々な困難に見舞われました。1941年は3戦全敗、1942年も13戦2勝と、かつての輝きは失われつつありました。1942年を最後にシャルドンは競走馬を引退し、ケンタッキー州レキシントンのギャラハーファームで種牡馬となりました。

引退後と殿堂入り

種牡馬としては、ステークス競走勝ち馬を13頭輩出するなど、大きな成功は収められませんでした。1958年、骨折を原因とする死でその生涯を閉じました。しかし、1977年、アメリカ競馬名誉の殿堂博物館はシャルドンの偉大な功績を称え、彼を殿堂馬として選定しました。その名は、アメリカ競馬の歴史に永遠に刻み込まれたのです。シャルドンの功績を称え、ローレルパーク競馬場には「シャルドンステークス」が創設されています。また、1999年にはブラッド・ホース誌の選ぶ20世紀のアメリカ名馬100選で第38位にランクインするなど、高い評価を受けています。

シャルドンは、競走馬としての華々しい活躍と、惜しまれつつも幕を閉じたその生涯を通じて、アメリカ競馬の歴史に不滅の功績を残した名馬として、今もなお人々の記憶に深く刻まれています。

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