スダッチャー

SUDA51'S SDATCHER (スダゴーイチズ・スダッチャー)

『SUDA51'S SDATCHER』は、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫公式ブログ「HIDEOBLOG」で配信されたWebラジオ「ヒデラジ」の300回放送を記念して企画・配信されたラジオドラマ、及びそのドラマCDです。全7話構成で、WebラジオとドラマCDで展開されました。

概要

本作は、「ヒデラジ」第296回放送で、放送通算300回記念として「スナッチャー」を基にしたラジオドラマの制作が発表されました。脚本は小島秀夫氏と親交の深い須田剛一氏、音楽は「サイレントヒル」シリーズの山岡晃氏、イラスト・キャラクターデザインは「スナッチャー」でもキャラクターデザインを手掛けたヨシオカサトシ氏、演出は村田周陽氏が担当しました。

「ヒデラジ」第300回放送からACT1の放送が開始され、ACT6までが放送されましたが、「ヒデラジ」第305回放送で最終話であるACT7の放送が諸事情により休止されることが発表されました。その後、2012年1月放送予定の「ヒデラジ」第308回でACT7が放送されました。本作のドラマCDは2011年12月14日に発売されました。

本作は、前述の通り「スナッチャー」を基にして制作されています。「スナッチャー」に登場した人物、用語、場所などが登場しますが、「スナッチャー」との直接的な関連性はありません。また、2回以上の視聴が推奨されています。

あらすじ

舞台は2038年の神戸、「ネオ・コウベ・シティ」。主人公のジャン・ジャック・ギブスンは、ある目的のためにバーへと車を走らせます。しかし、バーに入った瞬間から、彼の運命は大きく動き始めます。

登場人物

ジャン・ジャック・ギブスン
声 - 大塚明夫
本作の主人公。ベテランの科学捜査官。職務に忠実ですが、妻のアリスとの関係に悩んでいます。娘のカトリーヌがいます。
リトルジョン
声 - 小島秀夫
ジャックの相棒である二足歩行型ナビゲーターロボットです。
クリスティアン・ゲンズブール
声 - 大塚芳忠
通称クリス。ネオ・コウベの麻薬市場の実力者ですが、その正体は政府諜報機関「RUG HUNT」の潜入捜査官です。ジャックの元同僚であり、ジャックとのブラックジャックの勝負に一度も勝ったことがありません。
スティーボ
声 - 柳原哲也
クリスの相棒。よく喋り、モバイル端末で写真を撮る癖があります。ネオ・コウベ・シティ港に入港した不審船を調査するため、クリスに同行していましたが、すぐに逃げ出します。
ドミニク・ブラックヘッド
声 - 杉田智和
政府諜報機関「RUG HUNT」のエージェント。事態収束のため、クリスの身柄をジャックに要求します。
ロビン・グッドマン
声 - 子安武人
政府諜報機関「RUG HUNT」のエージェント。任務内容は不明です。
アリス・ギブスン
声 - 井上喜久子
ジャックの妻。現在失踪しています。ジャックによると、唾液の酸が強く、キスをすると相手の唇が荒れてしまうそうです。
リサ・ニールセン
声 - 菊池由美
ダイナー「ワルシャワ」のウェイトレス。かつてはネオ・コウベ一帯の売人を仕切っていましたが、ジャックが後見人になったことで足を洗いました。スリーサイズはB88・W56・H86です。
トイレの男（フレディ・ニールセン）
声 - 須田剛一
ダイナー「ワルシャワ」のトイレにいたリサの夫。クリスと何かを話していました。
ハリー・ベンソン
政府諜報機関「RUG HUNT」のエンジニアで、ジャックの旧友です。ジャックとロビンの会話に登場します。

用語

RUG HUNT（ラグ・ハント）
政府直属の諜報機関。工作員は複数の秘密保持契約を結んだ後に偽名で任務に就きます。人を殺す際は銃を2発撃って仕留めるのが鉄則です。
バイオロイド
物語の40年前にロシアでカラエフ博士によって発表された論文を元に、ソ連崩壊後、ウドムルト共和国にあるポドルフスキー社によって作られた新種の生物のようなものです。人間を殺害後、殺害した人物にすり替わる、紫外線に弱い、頭部にブラスターを撃ち込まれると停止するという点でスナッチャーと共通していますが、バイオロイドとなったクリスが「バイオロイドの完全体がスナッチャー」だと発言していることから、スナッチャーとは別物と考えられます。
スナッチャー

ゼロ・コンタクト計画
バイオロイド達が実行しようとしている謎の計画です。
ダイナー「ワルシャワ」
ネオ・コウベにあるレストランで、リサ・ニールセンがウェイトレスとして働いています。店内では鶏の鳴き声が聞こえるため、中華料理店だと思われますが、なぜかトアルコトラジャコーヒーが提供されています。ここのカニチャーハンはジャックの大好物です。

スタッフ

脚本：須田剛一（株式会社グラスホッパー・マニファクチュア）
音楽：山岡晃（株式会社グラスホッパー・マニファクチュア）
イラスト・キャラクターデザイン：ヨシオカサトシ
演出：村田周陽
音声収録：島野真好
音響：谷口広紀、松井謙典（株式会社ヴェントゥオノ）
フォーリー：本郷俊介（株式会社ヴェントゥオノ）
音響助手：榎本有佑
音響監督：照田明弘
プロダクション・コーディネート：吉岡彩子
コーディネート：岡野晃二（株式会社東北新社）
企画・プロデュース：小島秀夫

収録曲

DRAMA DISC
ACT1 OPENING
ACT1
ACT2 OPENING
ACT2
ACT3 OPENING
ACT3
ACT4 OPENING
ACT4
ACT5 OPENING
ACT5
ACT6 OPENING
ACT6
ACT7 OPENING
ACT7
END CREDITS

SOUNDTRACK DISC
※作曲は全て山岡晃

Undercover
Sdatcher (Main Titles)
Counterfeit
A Man And The World
Rug Hunt
Trap
Old Friend
Zero Contact
Bioroid
Negotiate
Suspicious Vessel
Head Shot
Bodies
Drowse
Red Eyes
Ultraviolet
Cargo Owner
Top Of The Tower
Undead Souls
Gibson
Chris Knows
Creeping Silence (Ver.51)
Diner Warsaw
Farewell
End Titles

トリビア

元々は須田剛一氏、小島秀夫氏、志倉千代丸氏の3人でアドベンチャーゲームを開発するという名目で始まった企画で、須田氏が「ヒデラジ」に初めてゲスト出演した第31回（2006年3月6日）から構想が練られていました。リサ・ニールセンのキャラクター説明にスリーサイズが記載されているのはその名残です。また、『SUDA 51'S SDATCHER -INSPIRED by "SNATCHER"-』のブックレットにはヨシオカサトシ氏が描いたダイナー・ワルシャワの外観のドット絵が掲載されています。

イラスト・キャラクターデザインを担当したヨシオカサトシ氏は、最初「スナッチャー」をイメージしたイラストを描きましたが、小島氏に「スナッチャーとは違う」と指摘され、描き直したそうです。スティーボは若い頃のビル・マーレイ、リトル・ジョンは小島秀夫氏をモチーフにして描かれたそうです。しかし、スティーボのイラストがあまりにもポリスノーツの登場人物であるジョン・石田に酷似していたため、小島氏からは「イシダ」と呼ばれていたそうです。

出典・脚注

スダッチャー公式ホームページ - ウェイバックマシン（2012年2月1日アーカイブ分）
ゲームデザイナー・小島秀夫公式ブログ