ステート・ストリート

ステート・ストリートについて

ステート・ストリート株式会社（State Street Corporation）は、アメリカに本社を置く大手機関投資家向けの金融機関です。グローバルカストディサービスにおいて、約5,400兆円を管理し、資産運用分野ではおよそ540兆円の資産を扱っています。ステート・ストリートの位置づけは、ブラックロックやバンガード・グループと並び、世界的に見てもトップの金融機関の一つとされています。さらに、米国内では歴史ある銀行としても知られており、2番目に古い金融機関としての名を馳せています。

この金融機関の名称は、本社が位置するボストンの中心街にある国際金融市場から来ています。主な顧客は大手機関投資家や各国政府であり、個人向けの業務は行っていないのが特徴です。また、グループ会社であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ（SSGA）は、広く知られる上場投資信託（ETF）であるSPDRシリーズを運用しており、特にS&P500に連動するSPDR S&P 500 Trust ETF (NYSE Arca: SPY)は、世界で最も資産の多いETFとなっています。

沿革

ステート・ストリートの歴史は、前身のユニオンバンクに遡ります。この銀行は1792年、フランス革命戦争が開戦した年に設立されました。その初代頭取であるモーゼス・ギルが指導した下、ステート・ストリートはボストンを拠点に綿や絹の商品取引を行い、貿易業務を発展させていきました。その後、1865年にナショナル・ユニオン・バンク・オブ・ボストンとしての免許を獲得。1911年にはアラン・フォーブズが社長に就任し、彼の下で会社は大きく成長しました。

1924年には、ステート・ストリート・トラスト・カンパニーが米国初のミューチュアル・ファンドのカストディアンに就任し、金融業界において重要な地位を築きました。1925年にはユニオン・バンクとステート・ストリート・トラストが合併し、会社の規模が一層拡大しました。1950年代には、他の銀行との合併を通じてさらに規模を拡大し、1960年には持株会社体制を確立しました。

1970年代から80年代には、William Edgerly社長が会社の投資銀行化および国際化を積極的に推進しました。この時期に、フィデリティ・インベストメンツとの提携を結ぶなど、対外的な関係を強化しました。また、70年代の終わりから80年代の始めにかけて、各国の投資ファンドとの取引を拡大し、影響力を強めていきました。

1998年には、ミューチュアル・ファンドが保有する口座のカストディ資産が1兆8620億ドルに達し、業界内で大きな存在感を示しました。また、2003年にはドイツ銀行の証券部門を買収し、その結果、取引総額でJPモルガン・チェースを超えました。2007年には、インベスターズ・バンク・アンド・トラストを買収し、預かり資産は世界第2位の14兆1000億ドルに達しました。

グループ企業

ステート・ストリートは複数の関連会社を持ち、その中にはステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズやステート・ストリート・バンク・アンド・トラストカンパニー、ステート・ストリート・グローバル・マーケッツなどがあります。これらの企業は、グローバルな金融サービスや資産運用を提供し、その機能を拡大させています。特に日本国内では、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社や、日本における金融業務を行っているいくつかの関連会社が存在します。

ステート・ストリートは、国際金融市場において重要な役割を担い、投資家に対して信頼性の高いサービスを提供し続けています。また、金融業界における持続的な成長とイノベーションを追求し、市場での競争力を保っていることでも知られています。

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