スーパー戦隊Vシネマ

スーパー戦隊Vシネマとは

スーパー戦隊Vシネマは、特撮テレビドラマシリーズ「スーパー戦隊シリーズ」のオリジナルビデオ作品群です。1996年に『超力戦隊オーレンジャー』の放送終了後、シリーズ20周年を記念して制作された『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』が、その始まりとなりました。

概要

当時、「東映まんがまつり」が「東映アニメフェア」に移行し、スーパー戦隊シリーズの劇場版上映機会が減っていました。一方で、ビデオ販売やレンタルは好調であり、その流れの中で、東映と小学館が共同で実施した『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のオリジナルビデオプレゼント企画に10万本近い応募が殺到しました。この反響が、映画ではないビデオ作品制作の企画を後押しすることになりました。

当初は「スーパー戦隊OVシリーズ」という名称でしたが、『星獣戦隊ギンガマンVSメガレンジャー』以降、「スーパー戦隊Vシネマ」に改称されました。発売時期は、テレビシリーズ終了後の3月が基本でしたが、これはテレビ朝日と東映の契約上の都合によるものでした。2003年以降は、テレビシリーズ放送期間中にDVD発売と劇場版公開、終了後に劇場版DVDとVシネマ版を発売する形式が定着しています。ただし、『救急戦隊ゴーゴーファイブ 激突！新たなる超戦士』や『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』のように、例外的なリリースもありました。

『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕』以降は、テレビシリーズ終了後の6月に発売されるようになり、『10 YEARS AFTER』シリーズは、発売時期が固定されていません。『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』は、初の秋（10月）発売となりました。

近年では、『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』以降、VSシリーズと帰ってきたシリーズが一本化され、Vシネマ作品を劇場で先行公開するVシネクスト枠が設けられています。

過去には、テレビ朝日系列で一部作品が放送されたこともあり、2010年には『スーパー戦隊VSシリーズ劇場』と題して、『オーレンジャー』から『獣拳戦隊ゲキレンジャー』までのVシネマ作品が放映されました。

シリーズ構成

スーパー戦隊Vシネマは、主に以下の3つのシリーズで構成されています。

VSシリーズ: 発売年の前年度と当年度のスーパー戦隊が共演する作品群です。映画作品に移行した『劇場版 [[炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー]]』も、このシリーズに含まれます。各テレビシリーズのヒーローが2作品ずつ登場する形式が基本ですが、『忍者戦隊カクレンジャー』、『未来戦隊タイムレンジャー』、『魔法戦隊マジレンジャー』、『天装戦隊ゴセイジャー』、『動物戦隊ジュウオウジャー』は1作品のみの登場となっています。
『救急戦隊ゴーゴーファイブ』には、単独のオリジナル作品も存在します。
シリーズの節目となる作品では、『百獣戦隊ガオレンジャー』(25作品目)と『轟轟戦隊ボウケンジャー』(30作品目)で、歴代戦士と共演する『VSスーパー戦隊』が制作されました。
タイトルは基本的に『○○戦隊△△（新戦隊）VS□□（旧戦隊）』となっており、両戦隊が一時的に対立することもありますが、基本的には共闘して共通の敵に立ち向かう物語が描かれます。
『ギンガマンVSメガレンジャー』、『ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』、『ドンブラザーズVSゼンカイジャー』、『キングオージャーVSドンブラザーズ』は、現戦隊側も放送終了後の設定となっています。
初期のタイトルバック映像では、前戦隊のOP映像が使われ、後戦隊はテロップ紹介でしたが、『ゴーゴーファイブVSギンガマン』以降はオリジナル映像が用いられ、後戦隊も1人ずつ紹介されるようになりました。また、『アバレンジャーVSハリケンジャー』以降は、タイトルバック自体が使用されないことも多くなっています。
帰ってきたシリーズ: 2010年の『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー』以降、番組終了後に展開するスペシャルプログラムとして制作されています。書籍「超全集」が付属し、テレビシリーズよりも大人向けの内容が特徴です。
10 YEARS シリーズ: 2013年の『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』がきっかけとなり、「その後のスーパー戦隊」を描くシリーズとして誕生しました。2018年リリースの『炎神戦隊ゴーオンジャー 10 YEARS GRANDPRIX』より、公式にシリーズ名が使用されています。

発売メディア

初期はVHSとレーザーディスクが中心でしたが、2000年にレーザーディスク、2005年にVHSでのリリースが終了しました。2001年には、全作品がDVDで再リリースされ、背表紙には「東映VCINEMA」の表記が入っています。2004年には全作品がレンタル解禁となりました。2006年の『マジレンジャーVSデカレンジャー』では、UMDメディアでもリリースされています。

Blu-ray Disc（BD）は、2013年の『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』からリリースが開始され、それ以前の作品は、2016年に「スーパー戦隊 V CINEMA & THE MOVIE Blu-ray BOX」として発売されました。

作品一覧 (一部抜粋)

VSシリーズ: 『超力戦隊オーレンジャー オーレVSカクレンジャー』, 『激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー』, 『電磁戦隊メガレンジャーVSカーレンジャー』, ...
帰ってきたシリーズ: 『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕』, 『帰ってきた天装戦隊ゴセイジャー last epic』, 『帰ってきた[[特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ]]』, ...
10 YEARS シリーズ: 『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』, 『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』, 『炎神戦隊ゴーオンジャー 10 YEARS GRANDPRIX』
スピンオフ: 『宇宙戦隊キュウレンジャー Episode of スティンガー』
Vシネクスト: 『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』, 『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』, 『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』, ...

関連作品

スーパー戦隊Vシネマ以外にも、戦隊同士の共演やクロスオーバー作品が存在します。

『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』: 戦隊同士の共演の原点。
『スーパー戦隊ワールド』: 5戦隊が共演した作品。
『海賊戦隊ゴーカイジャー』: 過去34戦隊が総出演。
『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』: 35戦隊が共演。
スーパーヒーロー大戦シリーズ: 仮面ライダーシリーズや宇宙刑事シリーズとのクロスオーバー。
『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』: 仮面ライダーシリーズとのコラボ作品。
スーパー戦隊祭: 劇場公開を前提とした短編作品群。

スーパー戦隊祭

スーパー戦隊Vシネマから派生した企画で、毎年1月下旬に公開される短編作品群です。『劇場版 [[炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー]]』が劇場公開されたことをきっかけに、VSシリーズも劇場版として制作されるようになりました。また、放送開始前の最新戦隊がゲスト出演するのも特徴です。

主な作品: 『劇場版 [[炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー]]』, 『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!』, 『天装戦隊ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックon銀幕』, ...

近年の展開

2020年と2021年には『スーパー戦隊祭』と同様のフォーマットで冬映画が公開され、放送開始前の最新戦隊は、単独の短編作品が併映される形となりました。

スペース・スクワッド

スーパー戦隊シリーズとメタルヒーローシリーズのクロスオーバー作品です。『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』と『宇宙刑事 NEXT GENERATION』の好評を受け、制作されました。

主な作品: 『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』, 『ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド EPISODE ZERO』, 『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』

スーパー戦隊Vシネマは、テレビシリーズとは異なる魅力を持つ作品群であり、ファンにとっては見逃せないシリーズとなっています。

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