ソングオブウインド

ソングオブウインド

ソングオブウインド（Song of Wind）は、2003年2月20日に誕生した日本の競走馬であり、後に種牡馬としても名を馳せる存在となりました。彼の名前は、小説家・村上春樹の長編小説『風の歌を聴け』に由来しています。この馬は、特に2006年の菊花賞（GI）での勝利が記憶に残る存在です。

競走馬時代の歩み

ソングオブウインドは、2006年1月29日に京都競馬場のダート1800メートルで新馬戦へのデビューを果たし、鞍上には名騎手・武豊を迎えました。その際、単勝1番人気に推されたものの、初戦は2着に終わります。その後も勝ち星が遠く苦しい時期が続きましたが、5戦目の未勝利戦でついに初勝利を手にしました。ここから彼の運命は大きく変わります。

初勝利の後、彼は芝レースにも挑戦し、初めての芝レースで2着に入ると、次の夏木立賞では2勝目を挙げ、その後ラジオNIKKEI賞（GIII）で2着、そして神戸新聞杯でも3着に入り、菊花賞への出走権を獲得しました。

菊花賞での華麗な勝利

2006年の菊花賞では、後方からの待機策が功を奏し、直線で一気に追い上げて、見事に勝利を収めました。このレースでのタイムは3分2秒7で、京都競馬場の芝3000メートルでのコースレコードを更新しました。さらに、このタイムは菊花賞のレースレコードも更新する素晴らしいものでした。この勝利は、彼の父エルコンドルパサーにとっても特別な意味があり、初のGI産駒でもありました。

勝利後、ソングオブウインドは香港ヴァーズにも出走し、体調に不安を抱えながらも4着に入ります。しかし、レース翌日に右前肢の腱を負傷し、結果的には右前浅屈腱炎と診断され、北海道へ放牧。その後、引退が決まりました。

種牡馬時代

引退後の2007年、ソングオブウインドは社台スタリオンステーション荻伏で種牡馬入りしました。種付け希望が多かったことから、社台スタリオンステーションへと移動し、その後優駿スタリオンステーションにも移籍しました。初年度産駒の初勝利は、2010年に中央競馬でのコットンフィールドと、地方競馬でのモルフェソングエルが達成しました。

2014年12月には種牡馬としての役目を終え、追分ファームで余生を送ることになりましたが、若かったことから乗馬に転向する道を選びました。そして、2018年には、中央競馬のアイファーソングがソングオブウインドの後継種牡馬となりました。

主な産駒

ソングオブウインドの主な産駒には、以下のような馬がいます：

• - 2008年産: コンプリート（赤松杯）
• - 2009年産: グッドグラッド（星雲賞）
• - 2012年産: ジュメーリイ（黒潮皐月賞）、キヨマサ（霧島賞3回）
• - 2013年産: スマイリーキュート（サラブレッド大賞典）

また、ブルードメアサイアーとしても評価されており、主な産駒にはサンデンバロン（名古屋記念）がいます。

血統

ソングオブウインドの血統は非常に優れたもので、4代母のファンシミンからはアドマイヤマックス、ラインクラフト、ローゼンカバリーなど、多くの活躍馬が輩出されています。スターロツチ系やスカーレットインク系、シラオキ系と並ぶ名牝系に属しており、彼の血統背景は競馬ファンにとっても非常に興味深い要素となっています。

ソングオブウインドは、競馬界において多くの足跡を残した名馬であり、その業績は今後も語り継がれることでしょう。

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