タンピコ

タンピコ (Tampico)

タンピコはメキシコ合衆国のタマウリパス州に位置する重要な基礎自治体で、メキシコ湾に面した主要な港湾都市の一つです。現在、人口は約31万人で、タマウリパス州内では4番目の規模を誇ります。また、周囲の都市も含めたタンピコ都市圏では約92万人が生活しています。タンピコはメキシコの石油産業の中心地としても知られ、最大の石油輸出港であり、多様な農産物や鉱産物の輸出拠点でもあります。ただし、海上コンテナの扱い量に関しては、近隣のアルタミラ港が優位とされています。

タンピコの名称は、ワステカ語の「カワウソの場所」を意味する「tam-piko」に由来します。この地域にはかつて多くのカワウソが生息し、自然の豊かさがその名残を感じさせます。また、タンピコではカニが特産品として名高く、カニの身やカニカマを使った辛味ソースとして知られる「タンピコソース」の名もここから来ています。

歴史

タマウリパス州のタンピコ地域には、1000年から1250年の間にワステカが居住し、繁栄を見せていました。1532年には、フランシスコ会のアンドレス・デ・オルモス神父がこの地にキリスト教の布教施設を設立し、1554年にはスペイン植民地の名称「サン・ルイス・デ・タンピコ」が付けられました。しかし、海賊の襲撃により住民は移住を余儀なくされる過去もあり、特にラウレンス・デ・グラーフによる略奪は大きな被害をもたらしました。

1823年に現在のタンピコ市が設立され、その後も歴史の荒波を乗り越えながら発展を続けました。特にメキシコ革命の際、1829年にはキューバからのスペイン軍が侵攻し、しかしメキシコ軍によって再度メキシコの支配下に戻されました。メキシコ大統領ポルフィリオ・ディアスの時代には多くの発展が見られ、1901年には国内初の油井が開設され、石油の採掘が始まりました。この資源はタンピコに大きな富をもたらしましたが、1930年代には資源が枯渇し、現在はシェールオイルの調査が行われています。

観光

タンピコには観光名所が数多くあり、特にその繁華街では多様な建築様式を楽しむことができます。リベルター広場周辺ではニューオーリンズ建築の影響を受けた建物が多く、アルマス広場には新古典主義建築の市役所などが立ち並んでいます。これらの建物は近年修復され、観光客を惹きつける魅力を増しています。特に「無原罪の御宿り教会」として知られるタンピコ大聖堂は、19世紀後半に建設され、コリントス様式の円柱と美しいドアが印象的です。内部には芸術作品や白いカッラーラ大理石製の祭壇があり、訪れた人々を魅了します。

交通

タンピコは1924年に商用航空の発祥地とされています。General Francisco Javier Mina 国際空港からのメキシコ初の商用飛行は、メキシコシティへの便でした。この空港は国内初のILSを導入しており、利便性が高いアクセスを誇ります。

姉妹都市

タンピコは以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます：ヒューストン（アメリカ・テキサス州）、マッカレン（同州）、ビヤエルモサ（メキシコ・タバスコ州）。

タンピコはその歴史的背景や自然環境だけでなく、観光名所や文化魅力も豊富に持つ都市です。

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