テリオスベル

テリオスベル：個性的な逃げ馬の軌跡

2017年4月18日生まれのテリオスベルは、日本の競走馬として、その名を刻みました。馬名は、願いを叶えるという意味の古代ギリシャ語と鈴を組み合わせたものです。デビューは2歳時、芝のレースでしたが、思うような結果が出せず、7戦目からダートに転向。これが転機となり、2020年3月、3歳未勝利戦で初勝利を掴みました。

その後も地道に条件クラスを戦い抜き、2021年からは江田照男騎手が主戦騎手として活躍しました。2022年、3勝クラスの下総ステークスを制し、オープン入りを果たすと、勢いに乗ってスレイプニルステークスでも勝利。重賞初挑戦となったマーキュリーカップでは惜しくも2着となりましたが、その実力は既に認められていました。続くブリーダーズゴールドカップでは1番人気に推されたものの3着。その後もレディスプレリュードで2着、JBCレディスクラシックでは6着と、結果にばらつきが見られました。

しかし、2022年11月30日、船橋競馬場で行われたクイーン賞（JpnIII）で、テリオスベルは真価を発揮します。3番人気ながら2コーナーで先頭に立ち、逃げ切りで勝利。重賞初制覇を成し遂げました。この勝利は、江田騎手にとっても2004年以来となるダートグレード競走での勝利であり、管理する田島俊明調教師も喜びを爆発させました。田島調教師は、テリオスベルのスタミナと逃げの戦術を高く評価し、今後の活躍に期待を寄せました。

2023年に入ると、TCK女王盃や川崎記念などで好走するものの、なかなか勝ち星に恵まれません。しかし、8月17日、2年連続で出走したブリーダーズゴールドカップでは、江田騎手の積極的な騎乗に応えるかのように先手を奪い、そのまま逃げ切り勝ち。重賞2勝目を挙げました。その後もJBCレディスクラシックなどに出走し、安定した成績を残しました。

2024年、引退を予定していたテリオスベルでしたが、関係者と協議の結果、現役続行が決定。クイーン賞で2着、ダイオライト記念でも2着と健闘しましたが、ダイオライト記念が現役最終戦となりました。3月14日付で競走馬登録を抹消され、生まれ故郷である北海道新ひだか町の野坂牧場で繁殖牝馬として第二の人生を歩み始めます。

テリオスベルの競走馬としての特徴は、何と言ってもその個性的な逃げ戦法です。道中から積極的に先頭に立ち、そのまま逃げ切る「捲り逃げ」を得意としました。砂を嫌う逃げ馬でありながら、スタート直後から積極的に仕掛け、スタミナを活かしてレースを展開する姿は、多くのファンを魅了しました。その積極的なレース運びは、しばしば他馬にも影響を与え、レース後コメントでも話題となるほどでした。オープンクラスに上がってからも、安定した成績を残し、その実力を証明しました。

テリオスベルは、その華麗なる戦績だけでなく、個性的な逃げ馬としてのスタイル、そして関係者たちの惜しみない努力によって支えられた競走生活によって、競馬史にその名を刻みました。その活躍は、多くのファンに感動と興奮を与え続け、これからも語り継がれることでしょう。血統面では、伯父に京阪杯勝ち馬のスプリングソング、叔母に数々の重賞を制したカレンチャンを持つなど、優れた血統を受け継いでいました。

テリオスベルの競走成績は、JBISサーチ、netkeiba.com等のサイトで確認できます。

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