デスラー艦

デスラー艦：デスラー総統の威光を象徴する宇宙戦艦

『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』において、ガミラス帝国、そしてガルマン・ガミラス帝国の総統であるデスラーを象徴する存在として、常に物語の中核を担ってきたのがデスラー艦です。青い艦体と強力なデスラー砲を特徴とするこの艦は、シリーズを通して様々なデザインで登場し、その存在感は圧倒的です。本稿では、各シリーズにおけるデスラー艦のデザイン、性能、活躍について詳細に解説します。

初代デスラー艦：緊急脱出艦としての側面

『宇宙戦艦ヤマト』に登場する初代デスラー艦は、ラムネ瓶を思わせる独特のフォルムが印象的です。ガミラス本星の天井都市にある総統府を兼ねる緊急脱出艦という設定から、艦尾には天井都市の残骸が付着している設定画も存在しますが、劇中では反映されていません。ヤマトの半分程度の小型艦ながら、デスラー砲による攻撃やワープ能力、そして後進しながらのワープといった特徴的な性能を有していました。武装はデスラー砲に加え、レーザー砲塔やミサイル発射管、さらには白兵戦用のチューブミサイルも備えていました。

劇中では、イスカンダルからの帰還途上のヤマトを襲撃。ワープ事故による衝突後、デスラー自らヤマトに潜入して白兵戦を挑みますが、コスモクリーナーによって撃退されます。その後、地球帰還直前のヤマトにデスラー砲を放つも、空間磁力メッキによって跳ね返され、自滅という結末を迎えました。

二代目デスラー艦：シリーズにおけるメインウェポン

『さらば[[宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち]]』『宇宙戦艦ヤマト2』『宇宙戦艦ヤマト完結編』に登場する二代目デスラー艦は、シリーズを通して最も頻繁に登場するタイプであり、「新型デスラー艦」とも呼ばれています。初代をベースに増築された構造で、ゴーランド艦隊の妨害電波を消去する電子戦装備も備えています。

武装は、デスラー砲に加え、多様なレーザー砲塔、ミサイル発射管、磁力機雷散布装置などを搭載。さらに、『さらば[[宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち]]』では、アンドロイド兵部隊の制御システムも備えていました。劇中では、ヤマトとの白兵戦や体当たり攻撃などで大破するも、その度にデスラー総統の執念と策略を反映するように、その戦闘能力を発揮しています。

三代目デスラー艦：圧倒的な火力と防御力

『宇宙戦艦ヤマトIII』に登場する三代目デスラー艦は、ガルマン・ガミラス帝国を反映するように、巨大な戦艦として登場します。全長1350メートルを誇り、二代目と同じく「新型デスラー艦」と呼ばれていますが、ガミラス艦とは異なるブロック構造の艦体が特徴です。

ハイパーデスラー砲を始め、大口径回転速射砲塔、惑星破壊ミサイルといった強力な武装を備え、装甲もヤマトを凌駕するほどの性能を有しています。ボラー連邦のブラックホール砲すら無効化するほどのエンジン推力も持ち合わせていました。劇中では、ボラー連邦艦隊を圧倒的な火力で壊滅させる活躍を見せています。

ゲーム作品やリメイク作品におけるデスラー艦

様々なゲーム作品でも、デスラー艦は登場します。PS版『宇宙戦艦ヤマト遥かなる星イスカンダル』やPS2版『宇宙戦艦ヤマト暗黒星団帝国の逆襲』などでは、初代や二代目がリメイクされ、新たなデザインや設定が追加されています。『SPACE BATTLESHIP ヤマト』では、オリジナルデザインのデスラー艦が登場し、ガミラスの最終兵器としての側面が強調されています。

リメイクアニメシリーズである『宇宙戦艦ヤマト2199』と『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』では、コアシップとデウスーラII世が登場します。コアシップは初代のリメイクで、デウスーラII世はヤマトを上回る大型艦であり、従来のデスラー艦とは異なるデザインと性能を有しています。また、『2202』では、ノイ・デウスーラという、コアシップとガトランティス製の艦体を組み合わせた新たなデスラー艦が登場しています。

その他のデスラー艦

上記の3艦以外にも、デスラーが一時的に使用した艦が存在します。例えば、『宇宙戦艦ヤマト2』では三段空母を、また『宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち』ではデスラー戦闘空母を旗艦として使用しています。さらに、『宇宙戦艦ヤマト2199』ではデウスーラI世、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』ではゲルバデス級などもデスラー艦として登場します。また、企画段階で頓挫したOVA『デスラーズ・ウォー』では戦艦スターシャが登場予定でした。

まとめ

デスラー艦は、単なる宇宙戦艦ではなく、デスラー総統の威厳と戦略、そしてガミラス帝国、ガルマン・ガミラス帝国の技術力を象徴する存在です。シリーズを通して様々なデザインや設定で登場し、常にヤマトと激しい戦いを繰り広げてきました。その進化と変遷は、シリーズ全体の物語を理解する上で重要な要素となっています。

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