トパーズ

トパーズの概要

トパーズ（英: Topaz）は、ケイ酸塩鉱物で、その硬度は石英よりやや上に位置します。日本語では「黄玉」とも呼ばれ、特に宝石としての人気があります。トパーズの語源については様々な説がありますが、ギリシャ語の「topazos（探し求める）」やサンスクリット語の「tapas（火）」が由来とされています。この鉱物は、紅海の島々で霧が深く、その場所を探索するのが難しかったことから名前が付けられたとも言われています。しかし、トパーズはかつてペリドットを指す用語として使われていたため、歴史的に混同されていたこともあります。

特徴と物理的性質

トパーズはフッ素やアルミニウムを含む珍しい鉱物であり、その色彩は多様です。特に、淡褐色のトパーズが宝石として高く評価されます。また、トパーズは加熱や放射線によって色を変えることができ、クリスタルの層方向には劈開性があるため、強い衝撃を受けると亀裂が生じることがあります。屈折率は1.619から1.627の間で、これは中程度の値に位置します。

2022年時点でトパーズの水酸基置換体は、鉱物としては公式には承認されていないものの、人工的に合成されたり、他の鉱物として発見されたことがあります。

トパーズの色のバリエーション

トパーズは、色によって様々な種類に分けられます。主なものは以下の通りです:

• - インペリアルトパーズ: シェリーカラーの黄褐色から橙褐色。
• - ピンクトパーズ: 薄いピンク色。
• - ブルートパーズ: 青や藍色で、主に放射線に処理されたものが多い。
• - シャンペントパーズ: 天然の薄茶色。
• - グリーントパーズ: 放射線処理されたものが一般的。
• - カラーレストパーズ: 無[[色]]で、見た目がダイヤモンドに似ています。
• - ミスティックトパーズ: チタニウム照射による特殊なトリートメントが施されたもの。

トパーズは主に二つの種類に分けることができます。一つは「OH-type」で、これは高い屈折率を持ち、色褪せにくい特性があります。ブラジルで取れるインペリアルトパーズがこのタイプに該当します。もう一つは「F-type」で、ロシアやナイジェリアなどで採取され、無[[色]]や青、茶色などの色合いがあります。ブルートパーズに関しては、主に無[[色]]から放射線処理されたものがシェアを占めており、天然のものは希少です。

産出地

トパーズは、ブラジルの他にもロシア、タイ、カンボジア、ベトナム、さらにはアフリカ各国でも産出されます。日本でも高品質のトパーズが採取されており、主な産地には岐阜県恵那郡苗木地域や滋賀県大津市の田上山、三重県四日市市の宮妻峡などがあります。

日本におけるトパーズの歴史には興味深いエピソードがあります。明治3年（1870年）、高木勘兵衛によって美濃国の苗木山で発見された鉱石が最初のトパーズとされ、彼はその後「トパズ勘兵衛」と呼ばれるようになりました。彼の発見がきっかけで、トパーズはその価値が認識され、徐々に多くの人々の注目を集めることとなりました。

トパーズはその特異な特性と美しい色彩から、宝石市場で非常に人気のある鉱物です。

もう一度検索