ニセコ連峰

ニセコ連峰の概要

ニセコ連峰（にせこれんぽう）は北海道の西部に広がる火山群で、比羅夫から雷電峠までのエリアに位置しています。連峰の長さは約25 km、幅は15 kmに及び、最高峰のニセコアンヌプリはその高さ1,308.2メートルを誇ります。この地域はニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されており、豊かな自然環境が保たれています。

この連峰は、新見峠を境に東山系と西山系に分かれています。東山系は急峻な地形を持ち、中期から新期の火山が特徴的です。一方、西山系は高層湿原が広がる穏やかな古期火山群となっています。訪れる人々にとって、ニセコ連峰はトレッキングコースとして非常に人気があり、特に神仙沼湿原周辺は整備が進んでいます。このため、初心者から上級者までが楽しむことができる多彩な登山道が整っています。

さらに、ニセコ連峰内には数多くの温泉が湧き出しており、泉質も多様です。この地域はスキーやその他のアウトドアスポーツの中心地としても知られています。特にニセコアンヌプリでは、整備されたスキー場が広がり、スキーリゾート「ニセコユナイテッド」として多くの観光客を迎え入れています。日本海を望む西山系には、岩内岳の麓に「IWANAI RESORT」が整備されており、地域の活性化に向けた取り組みも進められています。いわない温泉は、再生可能エネルギーを活用した持続可能な地域づくりが目指されている地域です。

火山活動の歴史

ニセコ連峰の火山活動は約200万年前に始まり、主に安山岩質の溶岩流やドームを形成してきました。火砕流や岩屑なだれ堆積物も含まれており、古い火山ほど西側に、新しい火山は東側に分布しています。完新世に活動が確認されているのはイワオヌプリ一つだけで、江戸時代後半や20世紀初頭には山頂部での噴気活動の記録もあります。最も新しい火山活動は約7,000年前の水蒸気噴火とマグマ噴火で、ニトヌプリやチセヌプリには新鮮な火山地形が見られますが、詳細な年代測定は行われていません。

古期火山群

• - 雷電山 (1.6-1.0 Ma)
• - ワイスホルン (1.5-1.0 Ma)
• - 目国内岳 (1.1-0.65 Ma)
• - 岩内岳 (0.73-0.5 Ma)

中期火山群

• - シャクナゲ岳 (0.8-0.3 Ma)
• - 白樺山 (0.7-0.3 Ma)
• - ニセコアンヌプリ (0.7-0.25 Ma)

新期火山群

• - チセヌプリ (300-20 ka)
• - ニトヌプリ (25 ka)
• - イワオヌプリ (30-7 ka)

活火山については太字で、新鮮な火山地形を保つ火山については斜体で示しています。

このようにして、ニセコ連峰はその地質的な特性だけでなく、アウトドアアクティビティの場としても多くの人々に愛されている魅力にあふれた地域です。

もう一度検索