パイルドライバー

パイルドライバー

パイルドライバー（英: piledriver）は、プロレスにおける特有の技であり、その基本的な動作は相手を上下逆さまに持ち上げてから、頭部をマットに打ち付けるというものです。この技は、1950年代から存在し、その後も多くのバリエーションや派生技が開発されてきました。日本語では「脳天杭打ち」とも称されます。

技の概要

パイルドライバーは元々、ドリル・ア・ホール・パイルドライバーと呼ばれる技から派生したもので、技名そのものはその略称にあたります。技をかける選手は相手の体をしっかりとホールドし、その状態で自ら座り込むことで、相手の頭部をマットに叩きつけるような動作を行います。しかし、実際には危険性が高いため、頭部がマットに直接接触することは避けられています。多くの場合、相手の頭部を保護した状態で着地するため、相手への衝撃を和らげる工夫がなされます。

危険性と対策

パイルドライバーは、その特性上、相手の頭や首に強い衝撃を与える可能性があるため、非常に危険な技とされています。例えば、1997年の WWF サマースラムでオーエン・ハートがストーン・コールド・スティーブ・オースチンにこの技をかけた結果、オースチンは首を負傷し、長期の休場を余儀なくされました。こうしたことから、2000年にはWWF（現在のWWE）においてパイルドライバー技術が禁止され、特別な許可を受けたレスラー以外の使用が制限されるようになりました。

他にも、特定の団体や地域ではパイルドライバーの使用が禁止されており、メキシコやイギリスなど多くの国で法律や団体のルールに基づき、罰則が設けられています。これは選手の安全を確保するための措置です。

バリエーションと派生技

基本技：ドリル・ア・ホール・パイルドライバー

この技は、相手に最初から最後まで危険を伴わせないよう多くの選手によって吠え野で改良され続けています。体勢は、前屈みになった相手の頭を自らの両足で挟み、体を後ろに倒れ込ませることによって成立します。バディ・ロジャースがこの技を普及させ、多くのレスラーにとっては定番のフィニッシュ・ホールドとなりました。

ゴッチ式パイルドライバー

カール・ゴッチのこの技は、一般的なパイルドライバーと同じ本質を持ちながらも、相手の胴体ではなく足の付け根を抱え込むことで体勢を安定させ、より安全に相手の頭部をマットへ落とすことができます。これにより、頸椎を損傷するリスクが減ります。

ツームストーン・パイルドライバー

通称「墓石式脳天杭打ち」とも呼ばれ、相手をオクラホマ・スタンピードの体勢で持ち上げてから倒れ込む技です。この技は多くのプロレスラーによって愛用され、特にアンダーテイカーが有名です。ですが、その危険度から多くのレスリング団体では禁止または制限されています。

カナディアン・デストロイヤー

この技はピーティー・ウィリアムズによって開発され、360度の回転を伴う動作です。特に、相手の頭を股下に挟み込み、そこからジャンプしながら落下させるスタイルが特徴です。この技は、現実的には実行されるのが難しく、フィクションとして扱われることも多いです。

その他の技

パイルドライバーの多様性は、実際の試合での状況により多くの派生技が生まれることからも表れています。リバース・パイルドライバー、スタイナー・スクリュー・ドライバーなど、数多くのレスラーが独自のアプローチで新しい技を生み出し続けています。

まとめ

パイルドライバーはその強烈なインパクトと多様性から、プロレス界において常に注目されている技です。しかし、その危険性が高いため、選手の安全を確保するための多くの対策が講じられています。様々なバリエーションが存在することから、今後も新たな技が生まれる可能性があり、レスリングの変遷とともに進化していくでしょう。

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