オクラホマ・スタンピード

オクラホマ・スタンピード

オクラホマ・スタンピードは、プロレスにおける代表的な投げ技の一つです。「アバランシュ・ホールド」「アバランシュ・スラム」「アバランシュ・プレス」といった別名も持ち、日本語では「雪崩固め」「雪崩投げ」「雪崩落とし」などと訳されます。

技の掛け方

基本的な掛け方は、まずボディスラムと同様に相手の体を両腕で抱え込み、うつ伏せの状態で担ぎ上げます。そして、自身の体を浴びせるようにして、相手を背面からマットに叩きつけます。威力を増すために、リングのコーナーからコーナーへ対角線上を走って勢いをつける場合もあります。

スティーブ・ウィリアムスは、コーナーの対角線を走り、相手の背中をコーナーポストにぶつけ、Uターンして対角線上を1〜2往復してから技を決めるという、独自の往復式（ターンバック式）を開発し、得意としていました。

また、応用技として、相手をコーナー最上段に座らせて自身もセカンドロープに登って仕掛ける雪崩式や、走ってきた相手に仕掛けるカウンター式も存在します。

創始者と名手

オクラホマ・スタンピードは、1960年代から1970年代にかけて活躍したオクラホマ出身のレスラー、"カウボーイ" ビル・ワットによって考案されました。パワフルなファイトを身上とするレスラーが主に使用しており、ワットと同じカウボーイギミックで活動していたブラックジャック・マリガン、ボビー・ダンカン、ロン・バス、ワットが主宰するテリトリーで活動していたディック・マードックやスティーブ・ウィリアムスなどが主な使い手として知られています。特に、ウィリアムスはワットにスカウトされてプロレス入りしたため、この技を直伝で身につけ、キャリア前半はフィニッシュ・ホールドとして使用していました。

名称について

相手を持ち上げる際に、相手の体を自身の肩の上に乗せる場合を「オクラホマ・スタンピード」、相手を自身の胸の前に担ぎ上げる場合を「アバランシュ・ホールド」と呼び分けることがあります。さらに、投げた後にピンフォールしない場合を「アバランシュ・プレス」「アバランシュ・スラム」と呼ぶこともあります。また、助走して仕掛ける場合をオクラホマ・スタンピード、助走せずに仕掛ける場合をアバランシュ・ホールドと区別することもあります。

しかし、本来はオクラホマ・スタンピードもアバランシュ・ホールドも同じ技であり、肩の上に担ぎ上げるか胸の前に担ぎ上げるか、助走を付けるか付けないかは、あくまでバリエーションの違いに過ぎません。そのため、厳密には、オクラホマ・スタンピードとアバランシュ・ホールドの名称によるフォームの区別は正確ではありません。

主な使用者

ビル・ワット
ディック・マードック
ブラックジャック・マリガン
ボビー・ダンカン
バズ・タイラー
ロン・バス
ハルク・ホーガン
デイビーボーイ・スミス
ジム・ナイドハート
スティーブ・ウィリアムス
ジョン・テンタ
デイビーボーイ・スミス・ジュニア
マーク・ヘンリー
ボビー・ラシュリー
ブライアン・ケイジ
ジェシー・ホワイト
ブラウン・ストローマン
長州力
佐藤嗣崇
黒影
岡林裕二
樋口和貞
渡辺未詩

派生技

パワースラム: オクラホマ・スタンピードとは別にボディスラムから派生した技で、共通点も多く、カウンターとして使用されます。
ターボ・ドロップ: 相手を肩に担ぎ上げ旋回し、その勢いで相手を前方に投げ落とします。
メルト・ダウン: リストクラッチ・コブラツイストの状態で相手を担ぎ上げ、空中で離して背面からマットへ叩きつけます。
カナディアン・ハンマー: 相手を仰向けで肩に担ぎ、前方に倒れこんで前面からマットへ叩きつけます。
CCD（コジマ・クラッシュ・ダイナマイト）: 垂直落下式オクラホマ・スタンピードとも言える技で、相手を肩に乗せた状態から頭部からマットへ叩き落とします。
* ワールド・ストロンゲスト・スラム: 相手をボディスラムの体勢で抱え上げ、体重を浴びせて前方へ叩きつける技です。

オクラホマ・スタンピードは、プロレスの歴史の中で数多くのレスラーによって使用され、様々な派生技を生み出してきました。その豪快な見た目と威力から、観客を魅了する技の一つとして、今後も語り継がれていくでしょう。

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