ファイナルグランプリ

ファイナルグランプリ：福山競馬場の最終章を飾った重賞競走

広島県福山市にある福山競馬場で開催されていた『ファイナルグランプリ』は、地方競馬を彩る重賞競走の一つでした。正式名称は「福山市議会議長杯 ファイナルグランプリ」で、ダート1800mの距離で行われていました。

誕生から廃止まで

2008年に創設された本競走は、福山競馬場の年間最終重賞競走として位置づけられていました。ただし、2010年度に関しては「若草賞」が最終重賞となりました。

初期の頃は、サラブレッド系だけでなくアングロアラブ系の馬も出走可能でしたが、2009年にサラブレッド系4歳以上に変更されました。それでも2010年まではアングロアラブ系の馬が出走し、2008年の優勝馬であるユノフォーティーンは、アングロアラブ系として唯一の優勝馬という記録を残しています。

出走条件は年々変化しました。2009年には中国地方に加え四国地方所属の馬も出走可能になり、2010年には近畿地方所属の馬も加わって、近畿・中国・四国地区の交流競走となりました。その後、2011年には再び中国・四国地区所属の馬のみの出走となりました。

負担重量は、2008年から2009年までは馬齢重量でしたが、2010年からは定量制となり、56kg（牝馬は54kg）と定められました。

賞金総額は270万円で、1着200万円、2着40万円、3着20万円、4着10万円と分配されていました。

2012年度をもって福山競馬場が廃止されたため、2013年の開催をもって『ファイナルグランプリ』もその歴史に幕を閉じました。

出走馬の選抜：ファン投票と招待馬

『ファイナルグランプリ』の最大の特徴は、出走馬の選抜方法にありました。ファン投票によって、9頭の競走馬が選出されました。投票対象馬は、施行日の2ヶ月前から1年前までの収得賞金上位50頭から選抜され、公式投票カードやインターネットを通じて投票が行われました。ただし、1人1媒体1票までと制限がありました。

ファン投票で選ばれた9頭に加え、四国地区から1頭が招待馬として選出され、合計10頭が競走に挑みました。2009年からは四国所属馬、2010年には近畿所属馬も出走可能となりました。

歴史と変遷

• - 2008年: 混合4歳以上の中国所属馬限定で創設。ダート1800m、馬齢重量。
• - 2009年: 出走条件をサラブレッド系4歳以上の中国・四国所属馬に変更。
• - 2010年: 近畿・中国・四国地区交流競走となり、出走条件をサラブレッド系4歳以上の近畿・中国・四国所属馬に変更。負担重量を定量制に変更。
• - 2011年: 出走条件をサラブレッド系4歳以上の中国・四国所属馬に戻す。
• - 2013年: 福山競馬場廃止に伴い、本競走も廃止。

他の重賞競走との関連

『ファイナルグランプリ』と同様に、ファン投票で出走馬を選出する重賞競走として、『金杯（福山競馬）』がありました。

まとめ

『ファイナルグランプリ』は、ファン投票による選出や、アングロアラブ系馬の出走といった特色を持つ、福山競馬場を代表する重賞競走でした。その歴史は、福山競馬場そのものの歴史と深く結びついており、廃止は多くの競馬ファンにとって残念な出来事であったと言えます。しかし、その存在は、福山競馬場の記憶の中にしっかりと刻まれています。

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