フィル・バローニ

フィル・バローニ：波乱万丈な格闘家人生

フィル・バローニ（Phil Baroni、1978年4月16日 - ）は、アメリカ合衆国出身の総合格闘家です。イタリア系アメリカ人であり、ニューヨーク州ロングアイランドで生まれました。アメリカン・キックボクシング・アカデミーに所属し、そのアグレッシブなファイトスタイルで多くのファンを魅了しました。

PRIDEでの活躍

バローニはPRIDEを主戦場とし、ウェルター級のトップ選手として活躍しました。美濃輪育久、長南亮、近藤有己といった強豪を破り、その名を轟かせました。試合だけでなく、ガウンをまとった派手な入場や、マーク・コールマン、ケビン・ランデルマンらとのコミカルなやり取りも人気を集めました。

プロ格闘家になるまで

バローニは、ナッソーコミュニティカレッジ時代にレスリングでオールアメリカンに2度選出されるなど、早くからその運動能力を発揮していました。その後、ホフストラ大学に進学し、中央ミシガン大学に編入。心理学と生物学を専攻しました。17歳から20歳まではアマチュアボディービルダーとして大会で優勝するなど活躍し、キックボクシングでは7戦全勝（7KO）、アマチュアボクシングでも10戦全勝（10KO）という輝かしい戦績を残しています。

UFC参戦とPRIDEへ

2001年2月23日、UFC 30でカーティス・スタウトとの対戦で、総合格闘家としてUFCデビューを果たし、判定勝ちを収めました。その後もUFCで活躍しましたが、2005年5月22日にはPRIDE 武士道 -其の七-で美濃輪育久と対戦し、TKO勝利を飾りました。PRIDEでは、その攻撃的なスタイルとキャラクターで一躍人気選手となりました。

波乱万丈なキャリア

PRIDE後も、Strikeforce、戦極、EliteXCなど、様々な団体で試合を行いました。しかし、Strikeforceでは薬物検査で陽性反応が出て出場停止処分を受けるなど、苦難も経験しました。その後もUFCに復帰するも、連敗を喫しリリースされました。

ONE FCやDREAMなど、海外の舞台でも活躍しましたが、2018年にはベアナックルボクシングにも挑戦。クリス・リーベンにTKO負けを喫しました。

逮捕、そして現在

2023年1月、メキシコのホテルでガールフレンドを殺害した容疑で逮捕されました。有罪となった場合は、50年から75年の懲役刑が下される可能性があり、今後の動向が注目されています。

人物像

PRIDE在籍時には、同じハンマーハウスのチームメイトであるマーク・コールマン、ケビン・ランデルマンと共に「筋肉三兄弟」と呼ばれ、親しまれました。また、格闘家としてだけでなく、解説者としても活動するなど、多才な一面を見せています。

フィル・バローニは、その強烈な個性と激しいファイトスタイルで、格闘技ファンに強烈な印象を残しました。しかし、そのキャリアは栄光と挫折、そしてスキャンダルに彩られた、波乱万丈なものでした。

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