フィンカンティエリ

フィンカンティエリ: イタリアの造船業界の巨人

フィンカンティエリ（Fincantieri - Cantieri Navali Italiani S.p.A.）は、イタリアのトリエステに本社を置く、総合的な造船グループ企業です。この企業は経済財務省の監督下にあり、Cassa depositi e prestitiを通じて国家の支援を受けています。

歴史的背景

フィンカンティエリの歴史は1937年に始まり、産業復興公社（IRI）の一部として設立されました。この設立により、イタリアの造船業が国の財政支援を受けることとなり、リヴァ・トリゴソ造船所やアドリア海リウーニティ造船など複数の造船所への投資が進められました。1959年には再編成により国家金融持株会社となり、1984年にはIRIから完全に独立しました。1999年には、船舶用エンジンを供給していたグランディ・モトーリ・トリエステを売却し、バルチラと統合しました。

今日、フィンカンティエリはヨーロッパおよび地中海地域における最大の造船グループとなり、8つの造船所と2つの研究センター、2つの機械部品生産拠点を持ち、約20,000人の従業員を擁しています。

主な施設と拠点

フィンカンティエリは、ドイツのブレーマーハーフェンにあるロイド・ヴェルフトの造船施設や、マニトワック・マリン・グループのように北米での拠点も持つなど、国際的にも展開しています。特に、2009年にはマリネット・マリーンを買収し、アメリカ海軍や沿岸警備隊に向けた小型船舶の供給を行っています。

子会社と関連企業

フィンカンティエリには数多くの子会社があり、例えば、船舶用エンジンを製造するイソッタ・フラスキーニ自動車や、北米での販売・整備を行うフィンカンティエリ北米マリーン・システムズがあります。また、海運事業を手掛けるELNAVや、海洋技術の研究開発を行うCATENAなども関連企業として存在します。

造船所とその実績

フィンカンティエリの造船所には、クルーズ船舶を専門とするモンファルコーネ造船所や、軍用艦艇の建造を行うムッジャーノ造船所などがあります。これらの場所で、多くの著名なクルーズ客船や軍用艦艇が建造されています。例えば、「サン・プリンセス」、「カーニバル・コンクェスト」、「アンドレア・ドーリア級駆逐艦」など、その実績は多岐にわたります。

民間および軍用艦艇

フィンカンティエリは、民間船舶の建造にも力を入れています。クルーズ航路において高評価を受ける船舶を多数手掛けており、特に有名な客船は世界中で広く知られています。また、米国やイタリアの海軍向けの軍用艦艇の建造も行っており、最新鋭の技術とデザインを取り入れた艦船を数多く供給しています。

結論

フィンカンティエリは、長い歴史と実績を有する造船業界のリーダーとして、現在も成長を続けています。国際的なネットワークを持ち、多様なニーズに応じた船舶の提供を行う姿勢が、今後の発展を支えることでしょう。

もう一度検索