フラワー装飾技能士

フラワー装飾技能士とは

フラワー装飾技能士は、国家資格である技能検定制度の一種で、都道府県職業能力開発協会が実施するフラワー装飾に関する学科および実技試験に合格した者を指します。試験問題作成は中央職業能力開発協会が行います。この資格は、生花をメインとしたフラワー装飾の専門知識と技能を証明するもので、ブライダルブーケの製作、パーティーや葬儀場の装飾、フラワーアレンジメントなど、幅広い分野での活躍が期待できます。名称独占資格であり、有資格者のみが「フラワー装飾技能士」と名乗ることができます。

等級

フラワー装飾技能士には、1級から3級までの等級があります。それぞれの等級は、上級技能者、中級技能者、初級技能者が通常有すべき技能の程度を示しています。

1級: 高度な技能を持つ上級技能者として位置づけられます。
2級: 中級程度の技能を持つ技能者として位置づけられます。
3級: 基本的な技能を持つ初級技能者として位置づけられます。

実技試験内容

各等級の実技試験では、フラワー装飾に関する具体的な課題が出題されます。以下に、各等級の実技作業試験内容（フラワー装飾作業）を示します。

1級

課題1：立食用卓上装飾花の製作（試験時間40分）
課題2：卓上装飾花の製作（試験時間35分）
課題3：ブーケの製作（試験時間60分）

2級

Aコース
課題1：花束の製作（試験時間45分）
課題2：アレンジメントの製作（試験時間30分）
課題3：ブーケの製作（試験時間45分）
Bコース
課題1：籠花（スタンド花）の製作（試験時間30分）
課題2：贈呈用花束の製作（試験時間30分）
課題3：花器付盛花の製作（試験時間30分）

3級

課題1：花束及びリボンの製作（試験時間35分）
課題2：バスケットアレンジメントの製作（試験時間30分）
課題3：ブートニアの製作（試験時間20分）

受検資格

受検資格を得るためには、一定の実務経験が必要です。実務経験期間は、等級によって異なります。

3級: 実務経験があれば受検可能（制限なし）
2級: 2年以上の実務経験（直接受検する場合）、または3級合格後であれば制限なし
1級: 7年以上の実務経験（直接受検する場合）、または3級合格後4年以上、または2級合格後2年以上

専門学校、短期大学、高等専門学校、高等学校専攻科、大学、専修学校、各種学校、職業能力開発校等の卒業者、修了者については、必要とされる実務経験期間が緩和されます。ただし、専修学校や各種学校においては、厚生労働大臣が指定する課程を修了している必要があります。

取得後の称号

技能検定に合格すると、合格証書が交付され、フラワー装飾技能士を名乗ることができます。1級合格者は厚生労働大臣名、2級及び3級合格者は各都道府県知事名の合格証書が交付されます。資格を表記する際には、等級を明示する必要があります（例：「1級フラワー装飾技能士」）。等級の非表示や、等級表示位置の誤り、職種名の省略表示などは認められません。また、職業能力開発促進法により、フラワー装飾技能士資格を持っていない者がフラワー装飾技能士と称することは禁じられています。

関連情報

フラワー装飾技能士の資格取得を目指す方には、以下の分野も参考になるでしょう。

フラワーデザイン
フローリスト
生花店
園芸
* 華道

もう一度検索