フーコック島

フーコック島：ベトナム最大の楽園

フーコック島（富国島）は、タイランド湾に浮かぶベトナム最大の島で、その面積は約561平方キロ[[メートル]]に及びます。キエンザン省に属し、周辺の島々と共にフーコック市を形成しています。ベトナム本土の南西端、ハティエンから約40キロ沖合に位置し、南にはアントイ諸島が点在、北東部ではカンボジアの島々と隣接しています。2020年12月には県から市へと昇格し、中心地はズォンドン坊、南端にはアントイ坊があります。

気候と地理

気候は、5月から11月が雨季、それ以外が乾季で、年間降水量は平均2,879mm、平均気温は27℃です。海だけでなく、山々も美しい景観を形成しています。島には「99の山と丘」があると言われ、北東部を水源とするダーバン川とズォンドン川、中部を水源とするチャン川が西へ流れ、海に注ぎます。また、雨季には荘厳な滝も見られますが、乾季には水が枯渇します。

島の全周は約130キロ[[メートル]]で、バイクなどで一周できますが、舗装されていない道や街灯のない道が多く、特に北東部では橋の崩落により迂回が必要な場所も存在します。観光客向けのビーチへの道も未舗装な箇所があり、注意が必要です。ロングビーチやスタービーチなど多くの美しいビーチがあり、欧米人観光客も多く訪れます。ロングビーチは、約20キロ[[メートル]]も続く白砂のビーチで、ベトナムでは珍しい海に沈む夕日が見られるスポットです。

リゾート開発とエコ・ツーリズム

2007年に最初の5つ星ホテルが開業し、エコ・ツーリズムの発展に伴い観光客が増加しています。近年では、波の穏やかな北部や東部のビーチも開発が進んでいます。また、アントイ諸島周辺はダイビングスポットとしても注目されています。2006年には、島周辺の多様な生態系が評価され、キエンザン生物圏保護区としてユネスコの生物圏保護区に指定されました。

2013年には経済特区に指定され、観光関連投資は2021年までに160億ドルに達しました。多くのホテル、遊園地、カジノ、ゴルフ場、海上ロープウェイなどが整備され、特にビングループが28億ドルを投資した「グランドワールド」は、イタリアのベネチアをモチーフにした24時間営業の観光施設です。新型コロナウイルス感染症流行前の2019年には、510万人の観光客が訪れました。

行政区画と特産品

フーコック市は、以下の2坊7社に分かれています。

ズオンドン坊
アントイ坊
バイトム社
クアカン社
クアズオン社
ズオントー社
ガインザウ社
ハムニン社
* トーチャウ社

特産品としては、魚醤ヌクマムが有名で、年間600万リットルが生産されています。ヌクマム工場の見学ツアーも人気があります。また、島の中北部では胡椒の栽培が盛んで、南部を中心に漁業も活発です。特にイカ漁は盛んで、観光客向けのイカ釣りツアーも開催されています。

国境の島と歴史

フーコック島は、カンボジアと国境を接する島であり、かつてはポル・ポト派が領有権を主張していました。カンボジアでは、コ・トラルと呼ばれています。

グランドワールド・フーコック

2021年4月に開業した「グランドワールド・フーコック」は、85ヘクタールに及ぶ巨大なテーマパークで、カジノも併設されています。24時間営業で入場無料で、「眠らない街」をコンセプトにしています。ビングループが運営し、外国人観光客誘致の切り札として期待されています。カジノでは、ベトナム人でも入場が認められています。

フーコック犬

島原産の希少なフーコック犬は、ベトナム全土で数千匹しか存在せず、保護が叫ばれています。しかし、近年では犬料理を提供する店もあり、問題となっています。2007年にはドッグレース場も開業予定です。

交通手段

フーコック島への交通手段は、高速船と航空便があります。キエンザン省のラックザーやハティエンから高速船が運航しており、タンソンニャット国際空港やカントー国際空港、ラックザー空港からは、フーコック空港への航空便が利用できます。島内には公共交通機関がないため、タクシーやバイクタクシーが主な移動手段となります。


フーコック島は、美しい自然とリゾート施設、独自の文化が融合した魅力的な島です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体感してください。

もう一度検索