ベネズエラ軍

ベネズエラ軍の概要

ベネズエラ軍（スペイン語: Fuerza Armada Nacional Bolivariana de Venezuela）は、ベネズエラの軍事組織であり、陸軍、海軍、空軍、国家警備隊の4つの主要な部門で構成されています。2007年の時点で、総兵力は約82,300人で、予備役は約8,000人でした。

最高司令官はベネズエラの大統領であり、国防大臣を通じて文民統制を受けています。国防省の管轄下に陸軍、海軍、空軍の三軍が存在し、さらに軍事作戦と法執行活動を行う国家警備隊が加わります。徴兵制を採用していますが、現在では定員と人口構成の問題から、兵役は実質的に任意となっています。

歴史的背景と装備

1999年にウゴ・チャベス政権が成立して以降、反米路線が鮮明になり、従来の兵器供給源が大きく変化しました。2007年には空軍の名称が変更され、2008年にはアンデス危機が発生しました。2009年9月には、隣国コロンビアにおけるアメリカ軍の増強に対抗するため、ロシアから戦車やS-300などの兵器が購入され、中国からも水陸両用戦車や軍用機が導入されました。これらの兵器は、ベネズエラの軍事パレードで披露されています。

組織構造

国軍は、大統領を最高司令官とし、国防省傘下の国軍最高指揮官高等会議（Alto Mando y Junta Superior de la FAN）の下で調整・運用されます。運用戦略司令部（Comando Estratégico Operacional）が国軍全体の統合運用、計画、業務執行の全体的戦略を統制します。国土は5つの軍管区に区分され、四軍の調整運用が行われています。

中央軍管区: 首都地区、バルガス州、ミランダ州、アラグア州、カラボボ州、ヤラクイ州
西部軍管区: ファルコン州、ララ州、トルヒーリョ州、メリダ州、タチラ州、スリア州
ロス・ジャノス軍管区: アプレ州、ポルトゥゲーサ州、バリナス州、コヘデス州、グアリコ州、アンソアテギ州
東部軍管区: デルタアマクロ州、モナガス州、スクレ州、ヌエバ・エスパルタ州
グアジャナ軍管区: ボリバル州、アマソナス州

各軍の詳細

陸軍

陸軍は、6個の師団を基本戦略単位とし、4つの機能別集団および部隊・機関で構成されています。反米姿勢により、西側諸国からの兵器調達が困難となり、近年ではロシア製の戦車が導入されています。

海軍

海軍は、6隻のフリゲートとドイツ製の2隻の潜水艦を主力とし、44隻の艦艇を保有しています。国内は7つの海軍管区に区分され、カラボボ州プエルト・カベージョに主要基地を設けています。海軍組織は5つの機能別集団を持ち、各艦艇、海軍航空隊、約7,000人規模の海兵隊、および沿岸警備隊を収容しています。近年では、海兵隊に中国製の軽戦車も導入されています。

空軍

空軍は、5個の機能別集団の下、12個の航空群や学校、その他の部隊から構成されています。2007年に名称が変更されました。陸軍と同様に、近年はロシアや中国製の航空機の導入が進んでいます。

国家警備隊

ボリバル国家警備隊は、国内秩序の維持を目的としており、犯罪捜査、街頭警備、戦時の際の予備戦力としての役割を担っています。また、予備・補助組織として国家ボリバル民兵が存在しています。近年、抗議デモの増加に伴い、国家警備隊では中国製の装甲車が大量に導入されています。

兵役条件

ベネズエラ国籍を持つ18歳から30歳までの成人男性、および25歳までの成人女性で、保護する子女がいない、独身、裁判で有罪判決を受けていない、犯罪歴・前科がない、身体障害者でない、CI証を提示できることが兵役の条件となっています。

参考文献

Christopher Langton, Military Balance 2007, Routledge

外部リンク

（[スペイン語]]）[Ministerio del Poder Popular para la Defensa de Venezuela
（[スペイン語]]）[Ejército Nacional
（[スペイン語]]）[Armada Nacional
（[スペイン語]]）[Aviación Militar venezolana
（警備隊'>[スペイン語]]）[Guardia Nacional
（予備役動員総司令部'>[スペイン語]]）[Comando General de la Reserva Nacional y la Movilización Nacional

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