ホワイトチョコレート
ホワイトチョコレートとは
ホワイトチョコレートは、その名の通り白い色をしたチョコレートの一種です。通常のチョコレートとは異なり、カカオマスを使用せず、ココアバター、乳固形分、砂糖を主成分として作られます。口の中でとろけるような滑らかな食感と、ミルキーで甘い風味が特徴です。
特徴
ホワイトチョコレートの最大の特徴は、カカオマスに含まれる苦味成分を除去している点です。これにより、通常のチョコレートと比べて甘さが際立ち、脱脂粉乳が加えられることでミルキーな風味も加わります。しかし、カカオマスを取り除く過程で、チョコレートが持つ抗酸化成分も失われるため、保存性は通常のチョコレートよりも低い傾向があります。
歴史
ホワイトチョコレートの歴史は、1930年代にスイスのネスレ社が発売した「Milkybar」に遡ります。その後、1950年代にはアメリカでも販売が開始され、次第に世界中で親しまれるようになりました。
アメリカでの販売
アメリカでは、1955年にヒーバート・キャンディーズが最初に大規模な販売を開始しました。しかし、その1年前にはマース社が製造を開始しており、アメリカでのホワイトチョコレート普及に貢献しました。ネスレのアルペンホワイトチョコレートは、アーモンドの粒が入っていることで人気を博しました。
日本での販売
日本では、1968年11月に六花亭（当時は帯広千秋庵）が初めてホワイトチョコレートの製造・販売を開始しました。創業者の小田豊四郎が欧州視察時に着目したチョコレートの自社製造を検討する中で、菓子材料商社「池伝」の創業者である池田傳三に相談し、不二家や明治製菓でチョコレート開発に携わっていた松田兼一を紹介されたことがきっかけです。松田の助言により、北海道の雪国イメージに合うホワイトチョコレートの開発が始まりました。当初はフキノトウのイラストが描かれたパッケージで販売され、十勝管内でのみ販売されていましたが、後に販売地域が拡大されました。
また、1976年に石屋製菓が発売した「白い恋人」は、北海道土産の代表格となり、ホワイトチョコレートが北海道土産のイメージとして定着しました。
英国での販売
イギリスでは、キャドバリー社がホワイトチョコレートを販売しました。
成分と規格
ホワイトチョコレートは、ココアバター、牛乳、砂糖を主成分とする点は通常のチョコレートと同様ですが、その成分規格には違いがあります。
米国および欧州の規格
アメリカでは、2004年以降、ホワイトチョコレートはココアバター20%以上、乳固形分14%以上、乳脂肪3.5%以上、砂糖やその他の甘味料を55%未満にする必要があります。欧州連合は、砂糖と甘味料の制限を除いて同様の基準を採用しています。
日本の規格
日本では、「カカオ分」はカカオニブ、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダーの水分を除いた合計量を示します。そのため、ココアバターのみを使用したホワイトチョコレートも、次の純ミルクチョコレート生地の規格に該当します。
ホワイトチョコレートを使用した製品
ホワイトチョコレートは、単体で楽しむだけでなく、様々な菓子製品の材料としても使用されています。
- - 白い恋人：石屋製菓を代表するクッキーで、ホワイトチョコレートをラングドシャで挟んだお菓子。
- - とうきびチョコ：北海道の代表的なお土産で、ホワイトチョコレートでコーティングしたとうもろこしのスナック。
これらの製品以外にも、ホワイトチョコレートは様々なスイーツやデザートに使用され、その独特の風味で多くの人々を魅了しています。
まとめ
ホワイトチョコレートは、その甘さとミルキーな味わいから、世界中で愛されているお菓子です。その歴史は比較的浅いものの、様々なメーカーによって革新が続けられ、多様な製品が生み出されています。カカオマスを使用しないため、通常のチョコレートとは異なる風味を持ちますが、その魅力は広く知られています。特に日本では、北海道土産として親しまれていることから、その人気を伺い知ることができます。
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