ボディスラム

ボディスラム (Bodyslam)

ボディスラムはプロレスにおける代表的な投げ技の一つで、日本では「抱え投げ」とも呼ばれています。技の基本的な動作は、自分の利き手を相手の股間に差し込み、体やタイツを掴み、もう一方の手で相手の肩や首を掴むことから始まります。この体勢から、利き手側を持ち上げて相手の体をひっくり返しながら前方へ投げつけます。その結果、相手は背面から床に落ちることになります。

この技はプロレスにおいて基本技ではありますが、注意が必要です。未熟な技術者が行うと、受け手が受け身を取れずに危険な角度で落ちるリスクがあります。実際、スタン・ハンセンがブルーノ・サンマルチノにこの技を使った際、受け手の首を骨折させる事例も発生しています。

歴史と役割

ボディスラムはプロレスの技の中でも重要な位置を占めており、1960年代までは試合の勝敗を直接決定する技（フィニッシュ・ホールド）として使われていました。しかし、現代では試合の中で「つなぎ」としての位置づけが強く、試合の勝敗を左右することは少なくなりました。それでも、特に巨体のレスラーをボディスラムで投げ飛ばすことができるレスラーは、その技術力や名声が高く評価されます。

アンドレ・ザ・ジャイアントのような超巨漢レスラーは、ボディスラムが最も困難な相手の一人です。しかし、ハーリー・レイスやハルク・ホーガンなど、多くのレスラーが彼をボディスラムで持ち上げています。

ボディスラム・マッチ

ボディスラムが勝敗を決定する試合形式は「ボディスラム・マッチ」と呼ばれ、特に巨漢レスラーが対象となることが多いです。このルールの下では、唯一の勝利条件としてボディスラムを成功させることが求められます。これはレスラーの力と技術を試すための格式の高い戦いとなっています。

派生技の紹介

ボディスラムから派生する技も多く存在します。例えば、パワースラムやリフトアップ・スラムなど、投げる過程や受け手の動きに工夫が加えられています。

• - パワースラム：相手をロープに振り、帰ってきたタイミングで叩きつける技。特に巨漢レスラーに多く用いられます。
• - リフトアップ・スラム：身体を持ち上げてから叩きつける技。
• - ゴリラ・プレス・スラム：相手を頭上に持ち上げてから叩きつける強力な技。
• - 女子式ボディスラム：女性レスラー向けに特化した形で、相手を持ち上げて投げる技です。

その他にも、ギロチン・ホイップやオクラホマ・スタンピードなどのバリエーションが存在し、それぞれのレスラーによって独自のスタイルで使用されています。

まとめ

ボディスラムは、シンプルな動作でありながらも、奥深い技術が要求されるプロレスの技の一つです。そのため、観客にとっても迫力があり、人気のある技として今もなお多くのレスラーによって取り入れられています。特に巨漢レスラーに対してこの技を成功させることができれば、レスラーの名声をさらに高める要因となるのです。

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