ラバト

ラバト

ラバト（アラビア語: الرباط‎、ベベル語: ⵕⵕⴱⴰⵟ Ṛṛbaṭ、フランス語: Rabat）は、モロッコ王国の首都として知られる都市で、2010年の時点での人口は約65万人、都市圏では180万人に達しています。市名の「ラバト」は「駐屯所」を意味し、歴史的にも軍事的な拠点としての役割を果たしてきました。

歴史の流れ

ラバトの歴史は紀元前3世紀にまでさかのぼります。ブー・レグレグ川の両岸にはネクロポリス「シェラ」があり、当時は人々が定住していました。ローマ帝国の時代には、この地域はマウレタニア・ティンギタナ属州として位置づけられ、シェラはローマ人によりサラ・コロニアに変えられました。その後は250年にわたりローマの植民市として栄えましたが、やがて放棄されました。

1146年、ムワッヒド朝のアミール・アブドゥルムウミンがラバトを大規模な城塞に改築しました。この城塞は1170年に「勝利の陣屋（رباط الفتح）」と名付けられ、現在の名称の由来となりました。この時期、ヤアクーブ・マンスールが都をラバトに移し、やがて壮大なモスクの建設が始まりましたが、完成を見ることはありませんでした。ラバトはその後、経済の中心がフェズに移るなど、低迷を経験しました。

17世紀には、スペインから追放されたモリスコたちが入植し、ラバトの復興を促進。1627年にはブー・レグレグ共和国が成立し、海賊行為の拠点として知られるようになりました。1666年にはアラウィー朝が成立したものの、この海賊国家の制圧には難航し、1818年まで存続しました。1912年にはフランスの保護領となり、都はラバトに移され、現在の市街地の設計が進められました。モロッコが独立した1956年には、ラバトが正式な首都となりました。

地理的な位置

ラバトは大西洋に面し、ブー・レグレグ川の河口に位置します。周辺にはベッドタウンのサレや、サッカーの都市であるテマラがあります。これらの都市を含む都市圏は180万人に達し、多様な生活が営まれています。気候は地中海性気候で、温暖な気候が特徴的です。

経済と産業

彼の地においては、繊維業や食品加工、建設といった産業が盛んです。特に絨毯製造が有名であり、観光客にもその魅力が伝わっています。港湾機能は衰えているものの、産業の多様化が進んでいます。

交通事情

ラバトは交通アクセスの面でも充実しています。ラバト＝サレ空港が近隣にあり、さらに鉄道網も整備されています。ラバト・ヴィル駅やラバト・アグダール駅は主な交通の拠点であり、国内各地へのアクセスが便利です。また、路面電車のラバト＝サレ市電も運行されています。

教育とスポーツ

教育機関としては、ムハンマド5世大学が存在し、広範な学問領域を提供しています。また、ラバトにはいくつかのサッカークラブがあり、地域のスポーツ文化も活発です。

主な観光名所

ラバトの名所にはムハンマド5世廟やハッサン塔、古代のシェラ遺跡、ウダーヤのカスバなどがあります。これらの歴史的建造物や遺跡は、ラバトが長い歴史を持つ都市であることを物語っています。2012年には、旧市街や王室区域などが世界遺産に登録され、さらなる観光資源としての役割を果たしています。

姉妹都市

ラバトは多くの国際都市と姉妹都市関係を結んでおり、マドリードやリスボン、アテネなどがあります。これにより、国際交流が促進されています。

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