レッスルマニア21

レッスルマニア21は、プロレス団体WWEが2005年4月3日にアメリカ合衆国で開催した、同団体にとって年間最大の祭典であり、ペイ・パー・ビュー（PPV）イベントです。

この大会は、ハリウッドで開催されたこともあり、チケットは発売からわずか1分足らずで完売するという人気ぶりでした。会場には世界14ヶ国、全米48州から観客が集まり、世界90ヶ国でPPV放送が視聴されるなど、グローバルな規模を誇りました。

大会を盛り上げたのは、観客だけではありませんでした。会場には、デヴィッド・アークエット、モーターヘッド、アダム・サンドラー、ロブ・シュナイダー、ZZトップ、ブラック・アイド・ピーズ、ビリー・コーガン、スマッシング・パンプキンズ、アンソニー・キーディス、アイス・キューブ、カルメン・エレクトラ、シルベスター・スタローン、マージ・ヘルゲンバーガー、リック・ルービン、ウィル・サッソーといった、数々の著名人が来場し、イベントを華やかに彩りました。オープニングでは、リリアン・ガルシアがアメリカ国歌を独唱し、会場の熱気をさらに高めました。

レッスルマニア21の最大の注目点は、メインイベントとセミファイナルを飾った2試合でしょう。まず、メインイベントのWWE王座戦では、ジョン・シナがジョン・ブラッドショー・レイフィールドを破り、初戴冠を果たしました。セミファイナルの世界ヘビー級王座戦では、バティスタがトリプルHを下し、こちらも初戴冠という快挙を成し遂げました。シナとバティスタにとって、レッスルマニアのメインイベント出場はこれが初めてであり、彼らのキャリアにおいて大きな転換点となりました。

また、この大会では、大相撲の元横綱・曙の参戦も大きな話題となりました。2月5日に行われたさいたまスーパーアリーナでのスマックダウン大会から始まったビッグ・ショーとの抗争は、レッスルマニア21で特別な試合形式として結実しました。リングのコーナーポストやロープは撤去され、代わりに薄く線が引かれただけのシンプルなリングで、相撲のルールに則った「スモウマッチ」として行われました。WWEが用意した行司が試合を裁くという異色の光景も、観客の記憶に刻まれたことでしょう。

さらに、ショーン・マイケルズとカート・アングルによる一戦は、プロレスリング専門誌『プロレスリング・イラストレーテッド』によって2005年の年間最高試合に選出されるなど、高い評価を得ました。この試合の技術力の高さ、そしてストーリー性の深さは、多くのプロレスファンを魅了しました。

レッスルマニア21では、メインイベントやセミファイナル以外にも、多くの注目カードが組まれました。30人参加のインタープロモーショナル・バトルロイヤル、マネー・イン・ザ・バンク・ラダーマッチ、そしてジ・アンダーテイカーとランディ・オートンによるインタープロモーショナルマッチなど、数々の熱戦が繰り広げられ、観客を興奮の渦に巻き込みました。また、トリッシュ・ストラタスとクリスティー・ヘミーによるWWE女子王座戦、そして「パイパーズ・ピット」と題されたトークショーコーナーなど、バラエティに富んだ内容も大会の魅力を高めていました。

レッスルマニア21は、単なるプロレスの興行イベントを超え、世界中から注目を集める一大エンターテインメントショーとなりました。その成功は、WWEのブランド力の高さ、そして、選手たちの高いパフォーマンス、そして、ハリウッドというロケーション効果が相乗的に働いた結果と言えるでしょう。この大会は、WWEの歴史、そしてプロレス史に大きな足跡を残すものとなりました。

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