レース・オブ・チャンピオンズ

レース・オブ・チャンピオンズとは

レース・オブ・チャンピオンズ（Race of Champions、略称ROC）は、モータースポーツ界のトップドライバーが集結し、個人戦と国別対抗戦が行われる特別な競技会です。このイベントは1988年から毎年年末に開催されており、参加者は様々なタイプのレースカーで特設コースを舞台にスピードを競い合います。

歴史的背景

この大会は、1986年にツール・ド・コルスで事故に遭った名ドライバー、ヘンリ・トイヴォネンへの追悼の意を込めて、元WRCドライバーのミシェル・ムートンらによって企画されました。ムートンは現在でも副会長として関与しており、イベントの発展に寄与しています。

最初はインターナショナル・レース・オブ・チャンピオンズという名でアメリカで展開されていましたが、現在の形式になったのはFIA出身のドライバーが主に参加するようになったためです。大会には個人戦の「レース・オブ・チャンピオンズ」と1999年に設立された国別対抗戦の「ネイションズカップ」があります。

競技形式と進化

初期の大会は、グループBカーとグループAカーによるエキシビジョンマッチが主体でしたが、1990年からはスーパーSS的なコース設定が施されるようになりました。しかし、当初はオフロード色が濃く、WRCドライバーの参戦を受けてF1ドライバーの参加は少なかったため、2004年のパリ大会以降は、アメリカで人気のエックスゲームズに影響を受け、スタジアムラリークロス形式にシフトしました。

競技で使用される車両は多岐にわたり、KTM・クロスボウ、フォード・フォーカスWRCなどが含まれ、選手たちは公平な条件で競い合います。また、エキシビジョンもこの大会の見どころのひとつで、往年の名車が登場して観客を楽しませます。

近年の動向

2004年には、ミハエル・シューマッハがROCに初めてエントリーし、以降も彼は継続的な参加者となっています。2010年にはアラン・プロストも参加するなど、イベントはクラシック的な意味合いを持つようになりました。

コース設計についてはミシェル・ムートンが毎年監修しており、選手たちはその後のプラクティスで新コースを体験します。2013年には、タイのバンコクでの開催が予定されていましたが、治安不安のために中止となりました。また、2020年には、初めてのバーチャルレースが実施され、デジタルプラットフォームでの新たな挑戦が試みられました。

基本ルール

ROCの基本ルールは、各対抗戦が1ヒート2台で行われることに起因します。ネイションズカップでは、8つの国からメンバーが選ばれ、トーナメント方式で進行します。メインイベントであるレース・オブ・チャンピオンズは、1ヒート制のトーナメント形式をとっており、スーパーファイナルでは各チームが3台の車を選び、種別による競争を行います。

このようにして、レース・オブ・チャンピオンズは、スピード、技術、そして名声を讃えるモータースポーツの祭典として、世界中のファンに愛されています。

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