七尾線

七尾線：能登半島を走るローカル線の魅力

七尾線は、石川県河北郡津幡町の津幡駅から、同県七尾市の和倉温泉駅までを結ぶ、西日本旅客鉄道（JR西日本）が運営する地方交通線です。全長59.5kmの路線は、能登半島南部を縦断し、豊かな自然と歴史的景観を車窓から眺めることができます。

路線概要と歴史

七尾線は、IRいしかわ鉄道線と津幡駅で接続しますが、電化方式の違い（IRいしかわ鉄道線は交流電化、七尾線は直流電化）から、交直セクションが設置されています。そのため、全列車は交直流電車または気動車で運行されています。

元々は輪島駅までを結ぶ路線でしたが、1991年に和倉温泉駅以南の区間がのと鉄道に移管され、現在の路線形態となりました。七尾駅と和倉温泉駅間の5.1kmは、のと鉄道が第二種鉄道事業者として運行に関わっています。

2015年の北陸新幹線金沢開業後も、七尾線はJR西日本の運営が継続されました。これにより、JRの他の路線と接続しない、完全な飛び地路線となりました。2024年3月には北陸本線の一部がIRいしかわ鉄道に移管されたことで、七尾線は石川県唯一のJR在来線となっています。

七尾線の歴史は古く、加能鉄道として1898年に開業しました。その後、国有化を経て、国鉄、そしてJR西日本へと引き継がれています。電化や経営移管などの変化を経て、現在に至っています。

運行形態

七尾線には、特急列車と普通列車が運行されています。

特急列車は、「能登かがり火」が金沢駅～和倉温泉駅間を主に運行されています。観光列車「花嫁のれん」も土休日などに運行されています。かつては「サンダーバード」など、他の路線と直通する特急列車もありましたが、北陸新幹線開業後のダイヤ改正で金沢発着の列車に一本化されました。

普通列車は、津幡駅～七尾駅間を運行し、多くの列車が金沢駅まで乗り入れています。ワンマン運転が基本ですが、車掌が乗務する場合もあります。2023年8月からは全駅で全ドアの開閉が可能となり、利便性が向上しました。

七尾駅～和倉温泉駅間は、のと鉄道が運行を担当しており、穴水駅まで直通する普通列車が運転されています。

使用車両

七尾線で使用される車両は、時代とともに変化してきました。現在、特急列車には683系電車とキハ48形気動車が、普通列車には521系100番台電車が使用されています。過去には、415系、413系、681系など様々な車両が活躍していました。

2021年のダイヤ改正で、普通列車はすべて521系電車に統一され、ICOCAの利用が可能となりました。これにより、古い車両は引退し、近代的な車両による運行体制が整いました。

利用状況

七尾線の利用状況は、和倉温泉駅に向かって減少していく階段状のパターンを示しています。ラッシュ時には、かほく市や金沢市近郊で混雑が見られます。

まとめ

七尾線は、歴史と自然が織りなす魅力的なローカル線です。沿線の観光地へのアクセスも良好で、能登半島の旅を快適にサポートします。今後の発展にも期待が寄せられています。 現在も、能登半島地震からの復旧作業が続けられています。

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