上総亀山駅

上総亀山駅：久留里線の終着駅と亀山湖観光の拠点

上総亀山駅は、千葉県君津市藤林に位置する東日本旅客鉄道（JR東日本）久留里線の終着駅です。昭和11年（1936年）3月25日に開業して以来、長きにわたり地域住民の生活を支え、近年は亀山湖周辺の観光客にも利用されています。

歴史を紐解く

上総亀山駅は、当初から久留里線の終着駅として開業しました。しかし、昭和19年（1944年）12月16日から昭和22年（1947年）4月1日までの間は一時休止していました。その後、営業を再開し、昭和49年（1974年）10月1日に貨物取扱が、昭和59年（1984年）2月1日には荷物扱いが廃止されました。国鉄分割民営化後、平成元（1987年）4月1日からはJR東日本の駅となりました。平成9年（1997年）2月18日には、腕木式信号機が色灯式信号機に切り替わり、平成21年（2009年）3月14日には東京近郊区間に編入されました。平成24年（2012年）3月17日には、久留里線の特殊自動閉塞化に伴い無人駅となり、駅構造も1面1線に改められました。

駅舎と設備

上総亀山駅は、地上駅で単式ホーム1面1線を有します。かつては1面2線でしたが、2012年の改修で現在の構造となりました。木造の駅舎は、地域の風景に溶け込むように佇んでいます。無人駅化後も、乗車駅証明書発行機が設置され、利用者の利便性が確保されています。トイレは駅舎の外に設置されており、男女別でバリアフリー対応の設備も整っています。夜間には1本の列車が滞泊し、翌朝の始発列車として運行されます。ホームは2両編成に対応しており、3両編成以上の列車の場合は、ドアカットされます。

構想から実現しなかった接続計画

興味深いことに、上総亀山駅は当初、木原線（現・いすみ鉄道いすみ線）と接続し、房総東線（現・外房線）の大原駅までを結ぶ計画がありました。しかし、この計画は実現せず、上総亀山駅は久留里線の終着駅として現在に至っています。この計画が実現していたら、房総地域の鉄道網は大きく異なっていたことでしょう。

利用状況と周辺環境

平成22年（2010年）時点での1日平均乗車人員は約90人です。近年は、亀山湖を中心とした行楽地としての発展に伴い、観光客の利用も増加傾向にあります。駅周辺には、亀山湖、亀山ダム、キャンプ場、温泉、宿泊施設、商店などがあります。また、国道465号、千葉県道24号千葉鴨川線も駅近くにあり、アクセスも良好です。バス路線は、2012年10月より事前予約制の君津市デマンドタクシー「きみぴょん号」に一本化されました。高速バスも停車し、周辺地域へのアクセスも容易です。

まとめ

上総亀山駅は、久留里線の終着駅として、そして亀山湖観光の拠点として重要な役割を担っています。歴史と自然が織りなすこの駅は、多くの物語を秘めています。訪れる際には、その歴史と静かな佇まいを感じ取ってみてください。将来的には、観光客の増加に伴い、更なる利便性向上が期待されます。

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