二川駅

二川駅：歴史と現代が交差する東海道の駅

愛知県豊橋市大岩町にあるJR東海東海道本線二川駅は、CA41の駅番号を持つ地上駅です。豊橋市の東南部、かつて東海道の宿場町として栄えた二川宿の跡地に近く、歴史と現代が共存する魅力的な場所にあります。

明治時代の開業と地域からの熱い要望

二川駅の開業は1896年（明治29年）4月7日にまで遡ります。東海道本線の浜松～大府間が開通した8年前には、二川宿の近くに線路は敷設されたものの、駅は設置されませんでした。しかし、周辺には多くの村落があり、人や物資の輸送需要が見込まれたことから、地元住民は1889年（明治22年）と1893年（明治26年）に駅設置を請願。その努力が実り、現在の二川駅が開業することとなりました。当初は旅客と貨物の両方を扱っていました。

駅舎の変遷：伝統と現代性の融合

開業当初から100年以上使用された木造駅舎は、東海道本線で最古の駅舎として知られていました。しかし、老朽化が進んだため、1998年（平成10年）から「二川駅周辺整備事業」が開始。この事業では、橋上駅舎、南北自由通路、駅前広場の整備、豊橋総合動植物公園へのアクセス道路新設などが行われました。2002年（平成14年）2月には新しい橋上駅舎が完成し、4月には南北自由通路が供用開始。2004年（平成16年）3月には事業が完了しました。一方、歴史ある木造駅舎は2000年（平成12年）に営業を終了しました。

新駅舎のデザインには、二川地区の歴史的背景が反映されています。JR東海は、東海道の宿場町としての歴史的景観を尊重し、東三河産の木材を使用するなど、伝統的な和の要素と現代的なデザインを融合させることに努めました。

交通手段の進化：ICカード対応と駅ナンバリング

2006年（平成18年）11月には、ICカード乗車券「TOICA」の利用が可能となりました。当初は豊橋・名古屋方面への利用に限られていましたが、2008年（平成20年）からは浜松方面でも利用できるようになりました。さらに、2018年（平成30年）3月には駅ナンバリングが導入され、「CA41」が割り当てられました。

駅構造：利用者の利便性を考慮した設計

二川駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の計2面3線の地上駅です。1番線が浜松方面行き、2・3番線が豊橋方面行きに使用されています。改札口はホーム上階にあり、階段とエレベーターで各ホームと連絡しています。駅舎内には、JR全線きっぷうりば、自動券売機、車椅子対応トイレなどが設置されています。また、南北自由通路があり、北口と南口が設けられています。

停車列車と利用状況

1時間あたり上下それぞれ約3本の列車が停車します。ほとんどが豊橋～浜松間の普通列車ですが、一部は名古屋方面への直通列車も停車します。かつては、二俣線（現在の天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線）の列車も乗り入れていましたが、1987年（昭和62年）3月15日の二俣線廃止により、気動車の乗り入れはなくなりました。

2018年度の乗車人員は約116万人、1日平均は約3,177人です。JR東海発足当初の1987年度と比較すると、大幅な増加が見られます。これは、周辺地域の開発や人口増加などが要因として考えられます。

駅周辺：歴史と自然、そして現代の調和

二川駅周辺には、歴史的建造物や自然、そして生活に必要な施設がバランス良く配置されています。北口周辺には、旧東海道、二川宿の町並み、寺社、病院、郵便局、学校、スーパーマーケットなどがあります。南口周辺には、豊橋総合動植物公園（のんほいパーク）があり、自然豊かな環境が広がっています。また、国道1号線や東海道新幹線も近くを通っており、交通アクセスにも優れています。

豊かな地域社会を支える拠点

二川駅は、単なる交通の拠点というだけでなく、周辺地域の歴史、文化、そして人々の生活を支える重要な役割を担っています。歴史的景観と現代的な設備が調和した二川駅は、これからも地域社会の発展に貢献していくことでしょう。

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