交通系

交通系について

交通系（こうつうけい）は、中華民国の設立初期に活動をしていた二つの主要な政治集団であり、旧交通系と新交通系に分けられます。これらのグループは、国家の政治や経済に大きな影響を与えました。

旧交通系

旧交通系は、一般的に梁士詒（りょう しき）を最高指導者とする政治集団です。梁士詒は清末から政治家として登場し、1907年に鉄路総局局長に任命され、交通銀行の設立にも関与しました。この背景により、鉄道や郵便の分野の官僚たちとともに組織されたため「交通系」と名付けられました。

中華民国の樹立後、梁は袁世凱から秘書長と交通銀行総理の役職に抜擢され、これにより交通系の勢力はさらに強まりました。特に交通銀行は国庫の代理役として機能し、紙幣発行権も獲得したことで、梁は政治的な力をも増していきました。

1913年には公民党を結成し、国会で袁を新たな大総統に選出させるよう尽力しました。加えて、梁士詒は袁世凱の皇帝即位計画にも関与し、一時は成功したものの、護国戦争の開始によって失敗を余儀なくされました。

その後、日本に亡命した後、1918年に再び帰国し、豊盛倶楽部を結成しました。この集団は旧交通系の政治家たちによって支えられ、国会で重要な位置を占めるようになりました。ただし、彼も安福倶楽部や新交通系同様に、安徽派を支持していました。

新交通系

新交通系は、曹汝霖（そう じょりん）が最高指導者として知られています。彼は袁世凱の死後、政治の舞台に現れ、1916年には交通銀行の総理に任命されました。さらに、安徽派の指導者である段祺瑞のもとで重要な役職を歴任し、政治的な影響力を拡大していきました。

新交通系は、旧交通系と異なり、日本を後ろ盾とする傾向が強く、特に自らの財源を日本からの借款に依存していました。1918年には西原借款を取り付けるなど、資金調達にも成功しました。新交通系は、北京、天津、上海などの大都市を根拠地にし、旧交通系よりも都市部での資金力に依存していました。

両交通系の末路

しかし、民国初期の政治的混乱の中で、両交通系は徐々に力を失っていきました。1919年には、曹汝霖と陸宗輿が五四運動の中で失脚しました。その後、梁士詒は短期間の国務総理に就任するものの、内閣はすぐに崩壊し、再び日本に逃れました。

その後、北京政府が存続している限り復権の機会はありましたが、国民政府による北伐によって北京政府が崩壊すると、両交通系はさらに下野し、政治的存在意義を失いました。これにより新旧の交通系は消滅し、政治史上の一時代が幕を閉じました。

参考文献

• - 李松林主編『中国国民党史大辞典』安徽人民出版社、1993年。
• - 何本方主編『中華民国知識詞典』中国国際広播出版社、1992年。
• - 謝彬『民国政党史』1924年（中華書局版、2007年）

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