今泉駅

今泉駅：米坂線とフラワー長井線が交差する歴史ある駅

山形県長井市今泉にある今泉駅は、JR東日本米坂線と山形鉄道フラワー長井線が乗り入れる共同使用駅です。両路線の接続駅として、そして長井地方の歴史を刻む駅として、多くの物語を秘めています。

歴史と変遷

今泉駅は1914年（大正3年）、鉄道院長井軽便線の開業と同時に誕生しました。その後、1926年（大正15年）には米坂線の米沢～今泉間が開業し、ますます重要な交通拠点となりました。1988年（昭和63年）、長井線が山形鉄道に移管されるまでは国鉄の単独駅でしたが、その後はJR東日本と山形鉄道の共同使用駅へと姿を変えました。国鉄分割民営化（1987年）や長井線の第三次特定地方交通線への指定（1986年）といった歴史的出来事も、駅の歴史に深く刻まれています。2024年10月1日からは、JR東日本の米沢方面でえきねっとQチケのサービスも開始されました。

駅構造と運行管理

島式ホーム2面4線を有する地上駅で、木造駅舎が特徴です。駅舎とホームは跨線橋で連絡しており、バリアフリーへの配慮も一部見られます。JR東日本の東北本部が管轄し、山形統括センター直営駅として、米沢～今泉間のCTC運行管理の中心となっています。駅員による丁寧な対応と、地域に密着したサービスが提供されています。みどりの窓口、自動券売機、乗車駅証明書発行機、トイレなどの設備も整っています。

興味深いのは、米坂線とフラワー長井線が今泉駅で合流し、再び分岐する点です。駅南方ではすぐに分岐しますが、北方では約2kmに渡って単線を共有し、白川を渡った地点で分岐します。この分岐点はかつて白川信号場でしたが、1984年に今泉駅構内に編入されました。フラワー長井線の信号扱いは、荒砥指令との連携の上で行われています。また、JRと山形鉄道のレールが直接接続しているのは今泉駅のみで、JRの検測車が山形鉄道線を測定する際には、今泉駅の米坂線ホームを経由して入線します。

利用状況と周辺環境

2023年度のJR東日本の1日平均乗車人員は131人、2022年度の山形鉄道の1日平均乗車人員は119人です。周辺環境は国道113号と国道287号が走り、豊田郵便局や長井市営バス「今泉駅前」停留所も近くにあります。

宮脇俊三と今泉駅

著名な旅行作家である宮脇俊三氏は、1945年8月15日、今泉駅前で父と共に玉音放送を聞いたというエピソードがあります。この出来事は、彼の著作『時刻表2万キロ』『時刻表昭和史』『途中下車の味』などにも反映されていると言われています。

まとめ

今泉駅は、単なる交通拠点以上の存在です。歴史の重み、そして人々の生活に寄り添う存在として、長井地方の重要なランドマークとなっています。JRと山形鉄道の連携、そして地域住民の生活を支える役割は、これからも続いていくでしょう。

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