介良事件

介良事件（けらじけん）

介良事件は1972年9月、高知県高知市東部の介良地区で、数人の中学生が小型未確認飛行物体を捕獲したとされる出来事です。この事件は「介良小型UFO捕獲事件」とも称されています。

目撃と捕獲

事件の始まりは、1972年8月に地元の中学生たちが水田の上空で発光する物体を目撃したことから始まります。少年たちは何度もこの物体を観察し、9月には遂に物体が地面に着陸するのを見て捕獲することに成功しました。捕獲した物体は少年の自宅に持ち帰られましたが、保管中に消失し、その後再度近所で捕獲されるといった現象が数回繰り返されました。最終的に物体が消えた後は、どのような形でも目撃されることはありませんでした。捕獲に関与したのは9人の中学生とその一部の親たちです。

物体の特徴

少年たちによる観察では、捕獲された物体は銀色であり、重さは1.3～1.5キロ、サイズは高さ約7センチ、幅約18センチとされています。また、スケッチによると、物体は山高帽に似た形の形状をしていました。底面には青海波模様や鳥の図柄が描かれており、中央部分には小さな穴が多数開いていて、そこからラジオ部品のようなものが見えたという証言もあります。この物体については、日本宇宙現象研究会の大阪支部長が、少年たちの証言をもとに精巧なレプリカを製作しました。ただし、実物の写真は遠くから撮影されたものが一枚残っているだけで、詳細な写真は撮影に失敗したとのことです。

報道と反響

物体が消失した後、少年のひとりがアマチュア天文家である関勉に電話をかけ、事件を伝えました。関は少年たちに取材を行い、その結果は天文雑誌に掲載されました。これを見た日本テレビ『11PM』のプロデューサーが、事件を番組で取り上げることとなりました。

疑念の声と悪戯説

事件には数多くの目撃者が存在しましたが、中でもその物体が飛行している様子を確認したのは僅か4名に限られ、それ以外の人々は捕獲後の静止した物体だけを見ていました。また、捕獲に関与した中には手品が得意な少年がいたため、彼らが仕掛けた悪戯を他の少年たちが真剣に信じ込んだ可能性も指摘されています。

特に2016年5月3日に放送されたNHKラジオ番組「ラジオアドベンチャー奇界遺産」では、関勉が証言を行っており、アマチュア天文仲間の高校教師が中心人物の少年に聞いたところ、実はこれは作り事だったと語ったとのことです。それによって関は事件の真実を理解したと述べています。

また、物体の質感については、実際に目撃した大人が「銀色に塗装された喫煙用灰皿のようだった」と語っており、後にその証言と非常に類似した鋳物の灰皿が確認されることとなりました。

関連項目

介良事件は他の未確認飛行物体を巡る出来事と共通点を持っています。例えば、甲府事件では1975年に山梨県で小学生たちが「宇宙人」と遭遇したとされており、またコティングリー妖精事件では1916年のイギリスで少女が妖精の写真を撮ったとされています。名著『ボクは好奇心のかたまり』を通じて作家の遠藤周作がこの件について触れており、さらに写真家である佐藤健寿も事件からの40年以上後に元少年たちへ取材を行っています。

日本宇宙現象研究会や日本UFO研究会は、介良事件に関する調査結果を発表しています。この事件は日本における未確認飛行物体の謎を深める存在として、今も多くの人々の関心を集め続けています。

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