佃大橋

佃大橋：隅田川を繋ぐ架け橋

佃大橋は、東京都中央区に位置し、隅田川を跨ぐ重要な橋梁です。東京都道473号新富晴海線、通称「佃大橋通り」の一部として、人々の生活を支えています。隅田川の右岸では湊三丁目と明石町、左岸では佃一丁目と月島一丁目を結び、地下では東京メトロ有楽町線と並走しています。

歴史

佃大橋は、かつて320年以上もの間、隅田川の渡船場として親しまれていた「佃の渡し」の跡地に建設されました。永代橋や勝鬨橋の交通量増加に加え、1964年の東京オリンピック開催に向けた道路整備の一環として、戦後初めて隅田川に架けられた橋としてその歴史を刻んでいます。

建設当時、佃島と月島を隔てていた佃川は、佃大橋の取り付け道路建設のために埋め立てられ、これにより佃島と月島は陸続きとなりました。同時に、佃川に架かっていた佃橋は役目を終え、廃橋となりました。

構造と特徴

佃大橋は、3径間連続鋼床鈑箱桁橋という構造形式を採用しています。当時としては画期的な大ブロック一括架設工法が用いられ、長さ40m、重量150トンのブロックを、日本最大の海上クレーン船で一括して組み上げられました。橋の長さは476.3m、幅員は25.2mです。1961年12月に着工し、1964年8月27日に竣工しました。橋桁は、石川島播磨重工業（現IHI）の佃島工場で製作されました。

特徴的な点として、右岸側では隅田川の手前約100mから高架が始まり、左岸側では佃・月島の全幅にわたって高架（新月陸橋）が続いています。この高架は朝潮運河に架かる朝潮大橋へと繋がっています。これは、橋桁下面から水面までの距離を勝鬨橋に合わせるために設計されたものです。また、隅田川に架かる他の橋梁が川に対してほぼ直角に交わっているのに対し、佃大橋は中心線が岸に対して約60度と斜めに交差している点も特徴的です。

周辺情報

佃大橋の周辺には、東京メトロ有楽町線、都営地下鉄大江戸線の月島駅、東京メトロ有楽町線の新富町駅といった鉄道路線が通っています。

また、佃大橋周辺は高低差が激しいため、東京マラソンのコースにおける難所としても知られています。

路線バスについては、かつて都営バスの東17系統が佃大橋を経由していましたが、2000年に廃止されました。しかし、2018年4月2日には直行02系統が平日朝に一日数本のみ運行を開始し、18年ぶりに佃大橋を経由する定期路線が復活しました。また、東京ビッグサイトへの臨時系統である国展01系統も、佃大橋を通ることが多くあります。

隣接する橋

隅田川における佃大橋の隣の橋は、上流側には永代橋と中央大橋、下流側には勝鬨橋と築地大橋があります。

佃大橋は、単なる交通手段としてだけでなく、地域の歴史や文化を今に伝える存在として、隅田川の風景に深く溶け込んでいます。

関連情報
佃 (東京都中央区)
新月陸橋
朝潮大橋
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