半グレ

半グレとは

日本における半グレ（はんグレ）とは、暴力団に所属せずに犯罪行為を行う集団を指します。半グレ集団として広く知られており、その名前は、暴力団に詳しいジャーナリスト溝口敦によるものであるとされていますが、実際にはこの用語は彼以前から存在していました。2020年の時点で、警察の把握によると、半グレは推定で約6000人のメンバーを抱え、さらに約60のグループが活動しているとのことです。この数字は、伝統的な暴力団の構成員数に匹敵しています。

源流と背景

半グレという言葉の初出は、溝口敦の著書『ヤクザ崩壊』（2011年・講談社）とされていますが、その背景には1991年の暴力団員による不当行為防止法の施行や、その後の暴力団排除に関する条例があり、これらが半グレ集団の台頭に一役買ったと考えられています。さまざまな地域で半グレは暴力団と対峙する新たな勢力として存在しており、時には暴力団を圧倒する事例もあります。東京の「関東連合」や、大阪の「怒羅権」、さらにはアマチュア格闘技団体「強者」など、さまざまな団体が半グレの一例です。

半グレの変遷

犯罪社会学者の廣末登氏は、半グレは時代の流れとともに変化しており、彼が紹介した4つのパターンに分類できると指摘しています。具体的には、過去から続く旧来の半グレ、オレオレ詐欺の実行犯、正業を持つ半グレ集団、そして元暴力団員を含むグループです。これらはそれぞれ異なる方向性や活動を展開しています。

組織の特徴

半グレメンバーの多くは1980年代に起源を持つ暴走族出身者であり、特殊[[詐欺]]や闇金融といった独自のビジネスを展開しています。具体的な活動内容としては、暴走族メンバーやその知人たちが集まり、緩やかなネットワークを形成しています。これにより社会問題が顕在化するに至っており、多くの集団が特殊[[詐欺]]や闇金融、さらにはクラブ経営や芸能プロダクションなど多岐にわたる資金獲得活動を行っています。

特に特殊[[詐欺]]は半グレの主要な資金源になっており、2012年には半グレ実業家が特殊[[詐欺]]グループのトップに君臨し、実行犯や中間管理職を統括していたことが確認されています。その他にも、屋根リフォーム詐欺や水道設備に関する悪徳商法が問題視されており、これらの業種にも半グレが多く参入しています。

警察との関係と対策

半グレは暴力団とは異なる特徴を持ちますが、時には暴力団との共存関係を築くこともあります。これは資金源の一部を暴力団に上納する場合があるためです。最近では、警察庁が半グレ集団に対して新たに「準暴力団」として定義する動きがあり、地域によっては専従班を設けるなど、取り締まり活動が強化されています。特に、2013年には関東連合や怒羅権などの団体がこの新たな定義に基づき取り調べられ、実態解明へ向けた取り組みが加速しています。

現在、全国の警察では、半グレをより広い概念として「匿名・流動型犯罪グループ」（通称：トクリュウ）と定義して対策を講じています。

まとめ

半グレは暴力団には属しないものの、特定の犯罪行為を行うことで社会問題化しており、その実態は不透明な部分も多いため、今後の取り組みが求められます。彼らの存在は、暴力団との関係性や活動の変化から、今後も注目が必要です。

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