南平台町

南平台町について

南平台町（なんぺいだいちょう）は東京都渋谷区に属する町名で、個別の丁目設定はない独立した町名となっています。また、住居表示が施行された地域でもあります。

地理

南平台町は渋谷区の南西部に位置し、渋谷駅から南西の丘陵地帯に広がっており、広義には渋谷エリアの一部として捉えられます。具体的には、道玄坂の南側にあたります。この町は、北側で神泉町とは玉川通り（国道246号）に面し、東側は桜丘町、南は鉢山町や鶯谷町と隣接しています。そして西側では、旧山手通りを隔てて目黒区青葉台と接しています。

この地域には、1932年に「南平台町」として改名される前から「南平台」の名前が使われていました。近年では、マンションや集合住宅が数多く建設されており、また、大企業が研修施設などを構える場所も見受けられます。特に幹線道路沿いや渋谷駅寄りのエリアにはオフィスビルも立ち並んでいます。

地価

2023年1月1日付の公示地価によると、住宅地の地価は南平台町19-18地点で180万円/m²となっています。

歴史・人物

この地区は明治半ばから邸宅街として発展し、外交官の内田定槌が住んでいた洋館は現在、重要文化財として横浜の山手イタリア山庭園に移転保存されています。戦後、陸軍大臣の阿南惟幾と共に自刃した大西瀧治郎の次長官舎は、セルリアンタワーの南西側に位置していました。

また、歴代の日本の内閣総理大臣である岸信介と三木武夫の私邸もこの南平台町に所在しており、岸は1960年代にこの地に居住し、「60年安保闘争」の際にはデモ隊に囲まれる事態が起こりました。三木武夫の邸宅は、以前「三木武夫記念館」として一般公開されていましたが、2012年に閉館しました。さらに岸邸の隣には統一教会の本部も存在し、互いに接点があったとも言われています。

著名人では、映画監督の市川崑がこの町に住んでおり、彼の旧宅は「市川崑記念室」として知られています。脚本家であり鉄道愛好家の関沢新一もこの地に居住していました。また、山階鳥類研究所が1932年から1984年までこの立地にありました。

人口と世帯数

2023年1月1日の東京都発表によれば、南平台町の世帯数は1131世帯、人口は2082人です。これまでの国勢調査による人口や世帯数の推移にも注目することができます。

学区

南平台町の学区は、区立小学校と中学校を含む全域にわたります。小学校は渋谷区立神南小学校、中学校は渋谷区立松濤中学校が該当します。ただし、調整区域により町内全域で別の小中学校を利用することも可能です。

交通

南平台町内には鉄道駅はありませんが、渋谷駅や代官山駅、神泉駅、池尻大橋駅などが徒歩圏内にあります。また、ハチ公バスや東急トランセの代官山循環バスが運行されており、至近の道玄坂上バス停では多くの東急バス路線が利用できます。

事業所

2021年の経済センサスによると、ここには365の事業所があり、従業員数は15805人に上ります。

主要な施設

南平台町には、東急本社やセルリアンタワーがあり、過去には大西滝治郎の官舎や阿南惟幾の陸相官邸が存在しました。また、特筆すべきは映画『あゝ決戦航空隊』において、当時の軍令部次長官舎が使用されたことです。さらに、養命酒製造の本社やマレーシア、アラブ首長国連邦の大使館、三木武夫記念館などもあります。また、日本郵便の集配局は渋谷郵便局にあたります。


南平台町は多様な側面を持つ地域で、歴史や文化が息づく魅力的な場所です。

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