和歌山県立紀伊風土記の丘

和歌山県立紀伊風土記の丘

和歌山県立紀伊風土記の丘は、和歌山市の郊外に広がる風土記の丘で、特別史跡に指定されている「岩橋千塚古墳群」の保全、研究、および公開を主な目的として1971年に開館した地方博物館です。この施設は、考古学や民俗学に関連する展示を行っており、地域の歴史を深く理解することができるスポットです。

総合的な施設の概要

紀伊風土記の丘は、標高150メートルの丘陵地に位置し、約65ヘクタールという広大な敷地を占めています。この場所には、約400基からなる古墳群、復元された竪穴建物、江戸時代の古民家集落の移築などがあり、見どころが満載です。特に古墳群はその歴史的価値から、国の特別史跡に指定されており、訪れる人々に歴史の魅力を伝えています。ここはまた、万葉植物園や資料館なども併設されており、多様な展示が楽しめます。

流れるような構想で設計されたこの博物館は、建築家の西山夘三によって手掛けられ、1971年には天皇と皇后の訪問も受けました。

松下記念資料館

紀伊風土記の丘の中心となる松下記念資料館は、特別史跡「岩橋千塚古墳群」や和歌山県内の遺跡から出土した考古資料を保存、研究、公開するために設立されました。この館は郷土出身の実業家、松下幸之助の寄付によって建てられ、ビジターセンターとしても機能しています。

館の特徴

館の外観は弥生時代の高床倉庫を模しており、青石を外壁に使用しているため、古代の雰囲気を醸し出しています。内部には、古墳から出土した様々な遺物や、根来寺坊院跡からの陶磁器類、備前焼の甕、さらには民具などが展示され、訪れた人々がその歴史の一端に触れることができるようになっています。

施設の詳細

• - 常設展示室：和歌山の歴史を掘り下げる内容の展示が行われています。
• - 図書コーナー：歴史に関する書籍や資料が取り揃えられています。
• - みんなの展示室：地域の方々が参加できる展示スペースです。
• - 企画展示室：特別な展覧会が定期的に開催され、来館者を楽しませています。

松下記念資料館の設計を手がけたのは浦辺鎮太郎で、延床面積は1,687平方メートルです。その設計はその特異性が評価され、2022年には国の登録有形文化財に登録されました。古代の要素を取り入れながらも現代の美しさを持つ建物は、紀伊風土記の丘のシンボル的存在です。

遺跡博物館地区

紀伊風土記の丘内には特別史跡に設定された「岩橋千塚古墳群」が存在し、約400基に及ぶ古墳は訪れる人々に素晴らしい歴史体験を提供しています。さらに、12基の古墳が公開され、その内部を見学することができます。野外博物館の地域には江戸時代の古民家集落や復元された竪穴建物、万葉植物園も設置されています。

交通アクセス

和歌山駅からは、和歌山バスの90系統または94系統で「紀伊風土記の丘」行きに乗り、終点で下車後、徒歩約5分でアクセス可能です。また、JR西日本の田井ノ瀬駅からも徒歩約25分で来ることができます。多くの人々に親しまれるこの地は、歴史を学びながら自然も楽しむことができる、まさに理想的なスポットと言えるでしょう。

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