和田敏明

和田敏明

和田敏明（わだ としあき、1905年4月28日 - 1990年11月21日）は、日本の政治家であり、衆議院議員を1期務めた人物です。日本社会党に所属し、徳島県出身です。

ジャーナリストから政治家へ

1929年、東京帝国大学政治科を卒業後、和田はジャーナリズムの世界に足を踏み入れました。東京日日新聞に入社し、スラバヤ支局長、毎日新聞サイゴン支局長、調査研究部長といった要職を歴任しました。その後、北海道日日新聞社では取締役主筆として活躍しました。報道の世界で培った経験と知識は、後の政治活動に大きな影響を与えたと考えられます。

衆議院議員としての活動

1947年、第23回衆議院議員総選挙において、和田は北海道2区から日本社会党公認で出馬し、初当選を果たしました。20249票を獲得し、政治家としてのキャリアをスタートさせました。しかし、1948年12月23日、いわゆる「馴れ合い解散」によって衆議院が解散となり、和田は議員の職を失います。翌1949年の第24回衆議院議員総選挙では、同じく北海道2区から日本社会党公認で立候補しましたが、13034票に終わり落選しました。

社会党からの除名と再建運動

1950年10月、和田は日本社会党から除名処分を受けます。その後、足立梅市らと共に社会党再建全国連絡会の結成に参加し、社会党の再建を目指しました。1952年の第25回衆議院議員総選挙では、東京7区から社会党再建全国連絡会公認で立候補しましたが、13683票で落選。1953年の第26回衆議院議員総選挙でも、同じく東京7区から社会党再建全国連絡会公認で立候補しましたが、12410票で落選し、議席を回復することはできませんでした。

日ソ交流への貢献

政治活動から退いた後、和田は日ソ交流に尽力しました。1965年には、日ソ交流協会の設立に関与し、株式会社日ソ旅行社（現・ロシア旅行社）の設立を提案しました。1987年には、同社の社長に就任し、日ソ間の友好関係促進に貢献しました。

安楽死に関する見解

和田は、安楽死について肯定的な見解を持っていました。彼は、安楽死の批判者に対し、「不要の生命を抹殺することは、社会的に不要な生命の抹殺と区別すべきではない」と述べ、ナチスの虐殺と安楽死を区別する必要性を説きました。また、チャールズ・マンゲルの著書『死を選ぶ権利―脳神経外科医の安楽死の記録』の翻訳にも関わっています。この点からも、彼の安楽死に対する考え方が窺えます。

死去

和田敏明は、1990年11月21日に生涯を閉じました。

まとめ

和田敏明は、ジャーナリストとしてキャリアをスタートさせ、政治の世界に身を投じました。衆議院議員としての活動は短期間に終わりましたが、社会党再建運動、日ソ交流への貢献など、多岐にわたる分野で足跡を残しました。特に、安楽死に関する彼の見解は、現代社会においても議論の余地を残す重要なテーマです。

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