国立感染症研究所

国立感染症研究所について

国立感染症研究所（NIID）は、1947年に設立された日本の重要な公共機関であり、感染症に関する研究や予防業務を専門としています。この研究所は、厚生労働省の所管に属し、主に病原体の検索や治療法および予防策の開発を行っています。2025年には国立国際医療研究センターと統合され、新たに非公務員型の特殊法人「国立健康危機管理研究機構」として生まれ変わる予定です。

所掌事務

国立感染症研究所の主な業務は以下の通りです：

- 病原体に関する研究や、その予防及び治療法の開発。
- 抗菌剤や消毒剤、殺虫剤、さらには食品衛生に関する生物学的試験とその製造。
- 稀に使用されるワクチンや技術が難しい製剤の製造。
- 疾病予防に関する科学的調査と研究の実施。

研究所の所在地

国立感染症研究所には複数の庁舎が存在します：

- 戸山庁舎：東京都新宿区に所在し、陸軍軍医学校の跡地に1992年に移転しました。
- 村山庁舎：東京都武蔵村山市にあり、1961年に設立されました。
- ハンセン病研究センター：東京都東村山市にあり、国立らい研究所から改名されたものです。

村山庁舎はバイオセーフティーレベル4（BSL4）の実験施設として設計されました。エボラウイルスの検査を行うため、2015年には日本初のBSL4施設に指定されました。しかし、周辺の住民の反対もあり、運用には時間を要しました。

沿革

国立感染症研究所の歴史は次のように進展してきました：

- 1947年、東京帝国大学附属伝染病研究所の一部を独立させ予防衛生研究所が設置されました。
- 1949年に国立予防衛生研究所に改称され、以降は感染症に関する様々な研究を行ってきました。
- 1997年には国立感染症研究所との名称に改名されました。

組織と歴代所長

所長は国家公務員として任命され、過去には多くの専門家がこの役職を務めてきました。これにより、感染症研究における組織の運営が确保されています。

不祥事

研究所は過去にいくつかの不祥事に見舞われました。1983年には新薬スパイ事件が発生し、職員が逮捕されました。また、2010年には官製談合事件も報告され、組織内の管理体制に疑問が呈されたこともあります。特に、エイズ研究センターに関連する論文捏造問題もあり、内部告発や論文の不正疑義が取りざたされました。

まとめ

国立感染症研究所は日本における感染症の研究と対策の最前線に立つ機関として、重要な役割を担っています。さまざまな試練や課題にも関わらず、感染症の予防と治療に貢献し続けています。これからの再編成を経て、新たな進化を遂げることが期待されています。

もう一度検索