国道340号

国道340号：北上山地を貫く生命線

国道340号は、岩手県陸前高田市を起点に、青森県八戸市に至る全長約244.5kmの一般[[国道]]です。北上山地を南北に縦断するこの道路は、東北地方太平洋沖地震（東日本大震災）の際には、被災地への救援物資輸送に重要な役割を果たしました。

地理的特徴と歴史

国道340号は、沿線地域によって様々な呼び名を持ちます。陸前高田市から住田町間は「高田街道」、住田町から遠野市上郷町間は「世田米街道」、上郷町の一部は「上り街道」、岩泉町浅内から葛巻町間は「新小本街道」、九戸村から軽米町間は「九戸街道」など、地域の歴史と密接に結びついた名称が用いられています。

この道路の歴史は古く、現在の国道指定以前は、複数の主要地方道として整備されていました。例えば、陸前高田～住田間は昭和29年に「世田米高田線」として、その後「陸前高田住田線」と名称変更を経て、昭和50年に国道340号の一部として指定されました。住田～遠野間、遠野～宮古間、宮古～岩泉間、岩泉～葛巻間、葛巻～軽米間、軽米～八戸間なども同様に、複数の主要地方道が統合される形で国道340号の一部となりました。

重要な峠道とバイパス

国道340号は、北上山地特有の険しい地形を通り、赤羽根峠、立丸峠、押角峠といった難所があります。特に、立丸峠は急勾配と急カーブが連続する難所として知られていました。しかし、近年はこれらの峠道の改良が進み、トンネルの開通によって安全性が向上しています。赤羽根峠、立丸峠はトンネルの新設により、急勾配・急カーブが緩和されました。また、押角峠もJR岩泉線の旧トンネルを転用した道路が2020年に開通しました。

さらに、交通量の増加に対応するため、陸前高田バイパス、世田米バイパス、赤羽根バイパス、遠野バイパス、土淵バイパス、江繋バイパス、茂市バイパス、刈屋バイパス、和井内道路、押角峠道路、小川バイパス、観音林バイパス、泥障作バイパスといったバイパス[[道路]]も整備されています。これらのバイパスにより、交通渋滞の緩和や安全性の向上が図られています。

重複区間と接続道路

国道340号は、いくつかの区間で他の国道と重複しています。国道343号（陸前高田市）、国道107号（住田町）、国道283号（遠野市）、国道106号（宮古市）、国道455号（岩泉町）、国道281号（葛巻町）、国道395号（軽米町）などです。また、沿線には多くの都道府県道が接続しており、地域交通の重要な結節点となっています。

道の駅と周辺環境

国道340号沿線には、「道の駅 おりつめ」（岩手県九戸郡九戸村）や「道の駅 なんごう」（青森県八戸市）などの道の駅があり、観光や休憩の拠点となっています。

まとめ

国道340号は、岩手県と青森県を結ぶ重要な幹線道路であり、地域経済や防災対策において重要な役割を担っています。歴史的な背景や地理的条件、そして最新の道路改良事業によって、この道路は常に進化を続けています。今後も、地域住民の生活や経済活動を支える重要なインフラとして、その役割を果たしていくでしょう。

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